来年、実施されるというタイ総選挙。 しかし、最大の焦点は政策ではなく投票日だった
8日、訪日したプラユット暫定首相は、総理大臣官邸で安倍首相と首脳会談を行った。その中で記者団に対し、先延ばしのままのタイ総選挙を2019年2月24日に実施すると表明。
14年5月のクーデターで実権を掌握して以来、総選挙が行われるのは実に5年ぶり。
満18歳以上に選挙権を付与するタイには約5300万人の有権者がおり、選挙に向けた動向が注目を集めている。
一方、国民の関心を二分するのがその選挙日だ。
タイの大学入試を運営する「National Institute of Educational Testing Service(NIETS)」は今月23日、来年の国立大学の入試を2月23〜26日8時30分〜16時に実施すると公表。
これが総選挙の投票時間(24日8〜17時)と重なるため、約30万人の現役受験生をはじめとした入試関係者の投票が困難となり、選挙結果にも甚大な影響を及ぼすと懸念されている。
また、国政を左右する一大イベントだけあり、当の受験生からも不満が殺到。
入試の日程変更を希望する署名をSNS上で集い、NIETSに提出する予定だ。
投票義務を怠ると、国会議員や市町村議員に2年間立候補できなくなるなど、社会的ペナルティが課されているタイ。
13年3月の都知事選では今回と同様の状況に批判が寄せられ、午後の試験開始を1時間遅らせる措置がとられた。
期日前投票も実施されるというが、国の将来を担う若き受験生たちの心情を汲んだ賢明な対応が望まれる。