長谷場:基本的に外国人はタイで土地を買えません。けれど、コンドミニアム(日本のマンション)は購入できます。ただし、無制限に外国人が買えるかというとそうではなくて、一棟のコンドミニアムの中の49パーセントのユニット(部屋)までしか買うことができない、というルールになっています。
ミィ:会社の株保有率「49:51」みたいですね。
長谷場:一方、外国人が土地を購入することは基本的にできないのですが、いくつか例外があります。
ミィ:え? 買えるんですか?
長谷場:一つ目は、タイ国工業団地公社(IEAT)傘下の工業団地で事業を行う場合です。この場合、工業団地内の土地を購入することができます。IEAT傘下の工業団地の場合、英語の名前は「●●● Industrial Estate」となっているので分かりやすいです。逆にIEAT傘下でないところはIndustrial Estateと名乗ることができず、Industrial ParkやZoneという名前になっています。
ミィ:へぇ。Industrial Estateとなっている工業団地の土地は買える、他は買えないと覚えればいいんですね。
長谷場:そうなのですが、1カ所だけ例外があります。タイで最初に開発されたナワナコン工業団地だけは、Industrial EstateとなっているのですがIEAT傘下ではないんです。この工業団地ができたのが1971年で、IEATが設立されたのが1979年なのでまだルールが整っていなかったのだそう。なので、ナワナコン工業団地はIndustrial Estateですが、基本的には土地を買えないんです。
ミィ:さらに例外があると。
長谷場:二つ目の例外は、BOIの投資奨励を受けている場合です。この場合、工業団地の中であろうと外であろうとBOIが“事業に必要”と認めるだけの広さの土地を買うことができます。
ミィ:普通に住むための土地を買うことはできないのですか?
長谷場:あまり日系企業でこの恩典を使っているところは無いのですが、BOIの奨励企業であれば下の表のような土地を買うことができるかもしれません。
ミィ:“かもしれない?”ってどういうことですか?
長谷場:実は「これらの土地を買えますよ」というのは、当初、2012年末までだったんです。それが、期限が過ぎた2013年2月28日の布告で2017年末まで延長されました。
ミィ:でた! 終わった後になってさかのぼって延長する、というやつですね。
長谷場:はい。そうなんです。ところが2018年になってから“この制度を延長します”という布告が出ていないんです。今のところ、“まだ出ていない”のか、“本当に終わってしまった”のか分からないんです。
また、2013年に延長した際の理由が「景気刺激と不動産部門の成長のため」となっていたのも気になるところです。そういうことであれば、この制度は終わったとしても、景気が落ち込めば復活する可能性もあります。
ミィ:だから「買えるかもしれない」なんですね。
長谷場:そういうことです。その他に、タイ人またはタイ企業と合弁会社を作ってその法人として土地を買う、という方法があります。しかし、この場合は合弁相手のタイ側が合弁会社の株の51%以上を持っている必要がありますし、合弁相手がタイ企業の場合、その企業の株主が本当にタイ人か、というチェックも入りますのでご注意を。
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