2019年、ASEAN議長国のタイは会議三昧
国内総生産(GDP)の18%を占める観光業は、タイの経済を左右する非常に重要な産業の一つ。タイ政府は近年、企業等の会議(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentive Travel)、学会・国際会議 (Convention)、展示会・見本市・イベント(Event)の総称「MICE(マイス)」の招致にご執心だという。
観光を目的とする一般的な旅行者に比べ、現地での消費額が大きいとされるビジネス旅行者。「タイ国政府コンベンション&エキシビション・ビューロー(TCEB)」によると、2018年にMICE関連でタイを訪れた外国人は、前年比19.9%増の約120万6000人。956億バーツ(約3,298億円)の経済効果となった。そのうち約9割がアジア圏からの渡航者で、平均滞在日数は5日とやや長め。一回の滞在で1人当たり約7万6,135バーツを消費するというから、ご執心なのも頷ける。
バンコクには、タイ最大規模のコンベンションセンター「インパクト・ムアントンターニー(総面積14万㎡)」の他、「バンコク国際貿易展示場(バイテック)同7万㎡」といった施設があり、外国人を迎える宿泊施設も多い。政府曰く「バンコクは世界の主要都市と肩を並べる、MICE都市である」とのこと。
また、これを裏付けるのがイベント業界のサステナビリティを支援する国際専門組織「GDS-Index」による評価だ。TCEBは昨年、「国際会議協会(ICCA)」が主導する同組織に加盟。インフラ整備や都市環境戦略など4つの分野で一般水準を大きく上回る高評価を受け、バンコクはアジア圏内では京都に次ぐ2位にランクインを果たしている。
世界各地で年々増加傾向にある国際会議。今年のASEAN議長国であるタイでは、6月と11月に首脳会議を開催予定。また、ASEAN最大の製造業の祭典「METALEX」をはじめ、主要産業をもり立てる展示会やイベントもひっきりなしに催され、関係者の訪タイによる観光業への好影響が見込まれる。MICEが開花した“ナイスな国際都市”として、進化を続けるこの街の姿を見守りたい。