タイ政府、ビザの無料化延長など観光客誘致
華麗な赤の装飾が、旧正月(チャイニーズ・ニューイヤー)の到来を告げる。今年は2月5日が当日となるが、毎年この時期には盛大なパレードや祭典が行われる他、商業施設ではセールや限定プロモーションなどがさまざまに実施されている。そんな行事を目前に控えた23日、タイ国政府観光庁のユタサック長官は、今年の旧正月を含めた2月4〜10日の1週間で、訪タイ観光客数103万人(前年比8%増)、観光収入240億バーツ(前年比11.5%)を見込むと発表した。
そのうちの約3割は中国人観光客。懸念されるのは、昨年プーケットで起きた転覆事故の影響だ。加えて、ドンムアン空港でタイ人警備員が中国人男性に暴力を振るう騒ぎを起こすなど、タイへのイメージ低下が続いていた。それらを払拭すべく、タイ観光評議会は20日、タイを代表するデザート「カオニャオ・マムアン(マンゴーともち米のスイーツ)」のギネス記録へ挑むイベントを開催。235人の手で作られた4500キロのカオニャオ・マムアンは、見事ギネス世界記録に認定され、約1万人の中国人客に振る舞われたという。同会のタニワン副会長は「カオニャオ・マムアンは中国人にも人気が高い。ぜひ本場タイで味わってほしい」」と歓迎の意を示した。
また、中国を含む21カ国を対象に、昨年11月から実施していた到着ビザの無料化(通常2,000バーツ)を、1月末から4月まで延長するという後押しもあり、中国人の訪タイ促進に明るい兆しが見えつつある。ユタサック長官は、同期間の中国人観光客33万人(前年比4%増)、観光収入100億バーツ(前年比12%増)を見込むという。
一方で、国民に向けた政策も用意。2月1〜15日の期間中、2万バーツ以下の買い物を対象に、デビットカードまたはタイの各銀行のアプリ支払いをすると、5%の免税が可能という(タイ全国1万5000店以上で対応)。同期間における政府主導のキャンペーンは初めてというが、結果やいかに。微力ながら我々も、景気促進に一役買いたい。