菅谷 卓広▶世界最先端の電気治療を筆頭に、整体や鍼、カイロプラクティックを融合した複合治療を行う「ペイン アウェイ クリニック」院長。身体のエキスパートとして、タイで12年の実績を誇る。
小田原 靖▶企業と求職者に新たな出会いと可能性を提供する、創業25年の日系人材紹介会社「PERSONNEL CONSULTANT」社長。在タイ歴20年以上。プライベートでは育ち盛りの3児の父。
日本人の5人に1人が抱え、現代病とも言うべき腰痛。「長時間の座り仕事」「無理な姿勢」など大人の腰痛の原因はさまざまあるものの、近年は低年齢化が進み、小中学生の“慢性腰痛持ち”も増えているのだとか。心配な子どもの腰痛。その原因とは。
小▶息子の話ですが、17歳の高校生の頃、日常的に腰の痛みを訴えていました。最初は成長期の痛みか何かだろうと聞き流していたのですが、次第に歩き方もぎこちなくなって…。今思えば、幼い頃から猫背で、親の目から見ても良くない座り方をしていたような気がします。現在痛みはないようですが、将来的に何か影響が出ないか心配です。
菅▶当院でもここ数年、お子様の腰痛や歩き方についての相談が増えています。大人の腰痛の原因には筋力や骨の衰えといった“加齢”が挙げられますが、子ども(ここでは小学生〜高校生以下)の場合、生活習慣、特に姿勢の乱れが関連しています。
幼い頃からスマホやタブレットなどのPC端末に慣れ親しむ現代の子どもたちは、知らず知らずのうちに“悪い姿勢”に陥りがちです。人の背骨は本来、緩やかなS字状にカーブし、身体に負荷がかからないバランスで重たい頭を支えています。一方、猫背や反り腰といった“悪い姿勢”は、このS字カーブが潰れた状態です。これが続くと当然腰に負担がかかり、肺も圧迫されて呼吸が浅くなるため「眠りが浅い」「イライラしやすい」「消化機能の不調」といったさまざまな自律神経症状が現れます。
姿勢の乱れは“万病の元”とも言われ、姿勢が悪いとマイナス思考になるという研究もあるほど。子どもは姿勢や健康に対する意識が低いですから、普段から大人が注意してあげる必要があります。
小▶親の注意を素直に聞くような年頃でもないですが(笑)。どんなサインが見られるのでしょうか。
菅▶個人差はありますが、普段の所見としては、①歩行時に身体が左右に揺れる ②肩の高さに左右差がある ③勉強中に猫背になるなどが挙げられます。これらは背骨から骨盤の重心軸にズレが生じている証拠で、放置すると痛みの原因になります。口で伝えてもピンとこないでしょうから、写真に撮って客観的に見せたり、「姿勢を治せば成績が良くなるよ」「スタイルが良くなるよ」と、子どものやる気を引き出してあげるのも効果的だと思います。
小▶それは良さそうですね(笑)。姿勢からくる痛みには、成長痛も関連しているのでしょうか。
菅▶成長痛は膝や足首などの下肢に多く、歩くだけでも痛みを伴いますが、関連性や自覚症状、親御さんの所見による判別は難しいと思います。専門機関では押す・捻るといった整形外科的検査やレントゲン検査で痛みの原因を探ることができますので、まずは相談してみると良いでしょう。
同院では、痛みを和らげる整体治療や骨格矯正の他、筋肉バランスを整えるためのトレーニングを指導している
Website:https://www.painawayclinic.com/