スポーツ障害

菅谷 卓広▶世界最先端の電気治療を筆頭に、整体や鍼、カイロプラクティックを融合した複合治療を行う「ペイン アウェイ クリニック」院長。身体のエキスパートとして、タイで12年の実績を誇る。

小田桐 早織▶日本式の整体やスパメニューで評判のマッサージ店「ベアハグ」を率いる、整体師兼スポーツトレーナー。小学生の娘を持つシングルマザーとして、仕事と子育てに奮闘中。


気分転換や健康維持のために、運動を楽しむ人も多いだろう。一方で、過剰なトレーニングや疲労の蓄積により、スポーツ障害に悩まされる人が増えているのだとか。身体ケアのプロである菅谷院長と、マッサージ店「ベアハグ」の小田桐代表に伺った。

▶当店では最近、スポーツに関連したお悩みで来店される方が増えています。私自身も子どもの頃から剣道を続け、体育大学を卒業後に実業団に入るなど、人生を通してスポーツを続けています。アスリートにとってケガは付き物ですが、一般の方でもやり方次第では、リスクとなる場合がありますよね。

▶そうですね。まず、運動に付随して起こる外傷や後遺症を総称して「スポーツ障害」と言います。これは別名「使いすぎ症候群」とも呼ばれ、長時間同じ動作を繰り返すことで筋肉や腱、骨と骨を繋ぐ軟骨組織がダメージを受け、慢性的な疲労状態が起こることに起因します。成長期の子どもや、加齢によって基礎体力が低下している中高年の方に多く見られ、軟骨の負荷が原因の「野球肘・野球膝」、肘の外側から前腕に痛みが走る「テニス肘」、かかと周辺に圧痛や熱感が生じる「アキレス腱炎」などが代表的です。当院には、アキレス腱の炎症や断裂後のケアで通われる方が増えています。

▶アキレス腱の場合、完全に断裂してしまったら外科的手術しか治療方法がありませんが、炎症や断裂予防、また手術後のリハビリテーションには、マッサージや鍼灸、整体治療なども有効ですよね。

▶私たちの身体にはたくさんの筋肉があり、筋肉同士が連鎖して運動する「キネティックチェーン」という構造で成り立っています。アキレス腱を断裂しやすい人は、アキレス腱だけでなくお尻の大殿筋や太もも裏のハムストリングスといった、下半身全体の筋肉が凝り固まっていることが多いため、マッサージなどは非常に効果的だと思います。ある程度の柔軟性がないと筋肉の可動性が狭くなり、パチンと腱が弾けて切れてしまうのです。当院では理学療法機器や整体治療によって硬くなった筋肉をほぐす他、術後のリハビリとして患部周辺の筋肉を強化するトレーニング指導も行っています。

▶まずは、気軽にご相談して頂きたいですね。マッサージには血管を圧迫して離すという動作があり、ポンプのように全身の血流を刺激する作用があります。そうすることで老廃物の排出を促し、身体の自己治癒力を高められるのです。炎症して痛みがある間は安静やアイシングが必要ですが、軽い症状ならマッサージやご自宅で簡単にできるストレッチなどをお薦めしています。

▶運動後の施術には、乳酸菌の蓄積を取り除き、筋肉の「超回復」を促す役割もあります。長くスポーツを楽しむためにも、上手に活用してください。


同院では、体内の深部組織にアプローチする「ショックウェーブ」を採用。集中的な疲労回復に効果があり、アスリートからの信頼も厚い


Website:https://www.painawayclinic.com/

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