タイ当局が難民サッカー選手を拘束。 母国に強制送還なら命の危険も…
昨年11月、新婚旅行でタイを訪れたサッカー選手が、スワンナプーム国際空港で逮捕された。罪状は「公共物損壊」。
同選手には難民認定を受けた背景があり、母国への強制送還が物議を醸している。
逮捕されたのは、豪州パスコー・ベールFC所属のハキーム・アリ・アラライビ選手とその妻。
バーレーン出身の同選手は、「アラブの春」で家族の政治活動を理由に逮捕された。
また否認しているが、2014年には前述の損壊罪で禁錮10年を言い渡され、難民として豪州に移住。
バーレーン当局の要請によりインターポールに指名手配されていた。
同選手は4日、都内で強制送還を拒否する意思を改めて表明。
再び釈放申請を行うという。
また、豪州政府や国際サッカー連盟はタイ政府に対し、早期釈放と豪州への安全な帰還措置を要請している。
人権団体は、すでに釈放され、豪州に帰国した妻の手紙を公開。
そこには「夫は初めて外国を訪れたが、こんな目に遭うとは悪夢のようだ。
無事に豪州に帰してほしい」と強制送還を案ずる心情が綴られていた。
これらを受け、タイのドーン外務大臣は「送還を要求するバーレーンと豪州による司法手続きに委ねる。
タイ政府はその判断に従う」とコメント。
ツイッター上には傍観すべきでないと批判の声が寄せられた。
一方で、タイ政府に落ち度はないという意思表明「#SaveThailand」がトレンド1位にランクインし、世論が二分。
いずれにせよ、同選手の身の安全と平和的な解決が望まれる。