立候補者(定数500)、3日目で7000人超
8年ぶりとなる総選挙が、3月24日に実施される(14年2月に行われた選挙は憲法裁判所が無効と判断されたため)。
今回の選挙は、下院選挙で定数500議席(小選挙区/350議席、比例代表/150議席)を争う。焦点は、続投を望む現軍政のプラユット暫定首相派、同派と連携を模索するアピシット元首相が率いる民主党、そして、タクシン元首相派をはじめとする反軍政派が、どこまで勢力を伸ばすかだと言われている。
日本の選挙との違いは、各党が掲げる首相候補と党首が異なる点だろう。これは、新憲法(17年4月公布)で、各党3人までの首相候補リストを選挙管理委員会に提出し、その中から上下両院の議会で首相を選出することとされているためで、候補は党員や議員である必要もない。
また、上院についても日本の議員制とは異なる。最初の任期の5年間は、特例として50人増員された定数250議席としている他、ほぼ全てを軍政が任命する(6議席は軍や警察のトップ)という仕組みだ。つまり、軍政は選挙前から両院併せた全議席の3分の1を確保していることになり、プラユット暫定首相派が過半数を獲得して再び首相指名を受けるには、今回の選挙で126議席を確保すればよいことになる。
今月4〜8日には、小選挙区の届け出が行われ、6日までに、定員の約20倍となる67党、7552人が候補として届け出たという。
大勢としては、三つ巴となりそうな今回の選挙。現首相派の「国民国家の力党」は現首相、ソムキット副首相、ウッタマ党首の3人を首相候補者に、タクシン派と言われる「タイ貢献党」はスダラット元保健相、チャチャート元運輸相、チャイカセム元法務相を、民主党はアピシット元首相をそれぞれ候補者とした。内務省によると、有権者は約5100万人で、11年に比べ500万人増えたという。前回は、投票用紙が小選挙区と比例代表の2枚に分けられていたが、今回は1枚だという。選挙戦は本格スタートを切ったばかりだ。