2018年8月、日本で芸人として活動していたRyota(リョータ)さんは、あるオーディション番組に挑戦するため来タイ。撮影終了後は帰国するはずが一転、タイでの活動継続を決めた当時の心境、そして見据える先を尋ねました。
街を歩けば声をかけられ、若いタイ人女性からは「かわいい」と熱視線。SNSのフォロワー数が急増するなど、在タイわずか7カ月でタイ人から注目を集める日本人の一人となったリョータさん。そのきっかけは、タイで高い人気を誇るモデルオーディション番組「The Face Men Thailand Season2」への出演でした。「海外志向だったわけではないんですが、番組がめちゃめちゃ面白くて! 自分もこの中に入りたいと、参加を決めました」。
タイ人メンターの元、演技やアクションなどさまざまなテーマに挑戦しながら、その実力を競い合うという同番組。リョータさんの参加時には、モデルを目指す男性1800人が集結。落ちるか、残るかという熾烈な戦いの場に「出るからには優勝」と目標を掲げ、リョータさんは臨みました。
タイ語が話せず、自分自身のアピールも周囲とのコミュニケーションもままならなかった当時を、とにかく必死だったと振り返ります。モデルらしく振る舞う周囲と同じことをしても意味が無いと、コミカルなリアクションや体当たりのアクション、少年のような無邪気さで審査員を魅了し、見事ファイナルステージに進出。惜しくもグランプリは逃しましたが、「爪痕は残せた」と充実感を口にします。
2カ月に渡った撮影期間中、言葉の壁に苦渋を味わう一方、“タイ語さえ話せれば”自分もやっていけると、確かな手応えも実感。タイへの移住を決意し、自ら掴んだチャンスを手に、「Ryota」として本格的にスタートを切りました。
「The Face Men Thailand」で絆を深めた共演者たちと(後列中央がリョータさん)
タイの美容も勉強中!できることは何でもやりたい
もともと人を楽しませることが好きで、芸人を志したというリョータさん。24時間365日、日常がすべてネタに繋がっていると自身の仕事を表現します。
「周りからはよく大変そうって言われるんですが、ぜんぜん大変じゃないです。お金がなくても、それがネタになるんですから(笑)。もちろん、好きじゃなきゃ続けられない。芸人はみんな、自分の仕事が好きなんだと思いますよ」と笑います。
そんな職業への想いを口にしながらも、現在はジャンルを問わずさまざまな仕事に挑戦中。モデル・俳優・芸人など、決まった枠組みがないというタイの芸能界で経験を積むことが、次へのステップになるとリョータさんは言います。芸でなく、外見で注目されることもチャンスだと。
「日本でもタイでも、外見が入り口になるのは仕方がないこと。僕を知ってもらうきっかけになるなら、何でもやります。それに、日本で売れている芸人さんって皆さん身だしなみに気を使っていて、“見た目”がいいんです。それは人に与える印象を常に考える、プロのサービス精神だと思います。僕も自分を客観視しながら、求められるものに応えていきたい」。
その先にあるのは、もちろん“笑いの道”。ベタと言われる日本(吉本新喜劇)の笑いを伝えていきたいと、言葉に力を込めます。そのためにも、タイ語の習得は不可欠。タイ語を自在に操り、“しゃべり”でタイ人を笑わすことができた暁には、漫才No.1を決めるタイ版「M−1グランプリ」の開催を目指すと宣言。「タイはオーディション番組が人気ですが、まだ笑いに特化したものはないんです。僕の活動がきっかけで、そんな番組が立ち上がったら……めっちゃ面白いですよね」。
「笑え」ではなく「笑ってください」。そんな日本のおもてなしを胸に、リョータさんはタイで笑いの第一人者を目指します。
PROFILE
Ryota
東京都生まれ。よしもとエンタテインメント(タイランド)所属。2013年〜漫才コンビ「ぷりずん。」として活動し、17年〜ピン芸人に。18年8月に来タイし、タレントやモデルとして幅広く活動中。日本化粧品検定1級、リンパケア検定2級。特技キックボクシング(2009年度NJKFフェザー級新人王)。趣味は美容研究。
@ryotamoisture
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フォロワー10万人に迫るリョータさんのインスタグラムでは、随時イベントの告知や出演情報を公開。さらに、プライベートが垣間見える写真や美容情報まで、ファンじゃなくとも必見です。
[問い合わせ]
Email:info@yoshimoto.co.th
Facebook:https://www.facebook.com/Yoshimoto.Thailand/
編集部より
取材時には、「ネタで滑るよりニキビができる方がショック!」と美容芸人ならではの一面も見せてくれたリョータさん。現在、新規開拓中だというタイのコスメについても、また詳しく聞いてみたいものです