1週間で6人ものタイ人大学生が飛び降りた今は、一年で最も自殺が多い時期だというが…
3、4月と言えば、日本では桜舞い散る陽気な春。その訪れを心待ちにする人も少なくないだろう。
一方、ここタイでは茹だるような暑さのせいか、自殺者が急増する。
2月28日〜3月6日の短期間で、チュラロンコーンなど名門大学に通う6人の学生が自殺するというショッキングなニュースが世間を騒がせた。
精神衛生局の調査によると、自殺は若年層の死亡原因の2位を占める。
全体では2012〜17年の5年間で延べ53万人が自殺を図り、4000人が死亡した。
また、16年にはASEAN第1位の自殺率を記録し、深刻な社会問題になっている。
同局では薬物中毒や有病者など、6つの区分に分け原因を調査。
中でも圧倒的なのが、精神疾患だという。
また、世代的には30〜50代の中高年が、県別には北部のメーホンソーン県が多いことも判明した。
同局のキャーティプーム局長は18日、この「自殺社会」に歯止めをかけるべく、全国の医師らと電話で会談。
保健省の協力の元、防止対策を強化するとした。
具体的には、対象者に動機などを問う「8Q」と呼ばれる調査を実施。
予兆があると診断された場合、精神科医などの専門家が24〜72時間に渡り経過を観察し、心のケアにあたる。
また、4月中に国内50の大学と自殺防止のための覚書を交わす予定だという。
さらに報道が起爆剤となることを懸念し、メディアに対しても提言。
こうした対策が功を奏し、一人でも多くの人が救われることを望むばかりだ。