宮城県岩沼市で生まれ、プロサッカー選手の夢を実現。現在、
タイリーグでプレーしながら「みやぎ観光PR大使」として宮城をはじめ、
東北一帯の魅力を伝える大久保剛志さんの故郷への想いを尋ねました。
「サッカー選手として求めてもらえる限り、ピッチに立ち続けたい」。大久保さんは自らの進退を考えた末、プレーの場を求めて2014年1月、タイへ渡りました。組織や戦略を重視する日本とは異なり、個人に重きを置くタイのスタイルに驚きながらも、自身をタイモードに切り替え。常に解約と隣り合わせである“外国人枠”の厳しさを体感し、日本以上のストイックさが身についたと手応えを口にします。
自分が生きる場所の有り難さを感じながら、タイでプレーして4年が過ぎた頃。大久保さんの元に、「みやぎ観光PR大使」の就任依頼が舞い込みました。
「3年の任期が設けられ、正式に就任したのは2018年4月でした。実は就任前から、宮城県を舞台にした『日タイ修好130周年記念ドラマ』や、仙台を舞台にしたタイ映画『Gravity of love』への出演、仙台で開かれるタイ発信イベント『タイフェス』でのゲスト出演、タイのスポーツブランドと地元のプロフットサルチームを結び合わせるなど、地元に関わる機会を頂いてきました。自分に何が出来るか手探りですが、力になれることがあったら何でもやりたい。大好きな宮城とタイがもっといい関係になれたら、何より嬉しいじゃないですか」。その想いは、自身を新たな活動へと導きます。
今期初ゴール後。「年を重ね、さらに動けるようになった」という大久保さんのプレーをぜひ会場で
“日本らしさ”が凝縮
宮城を基点に東北各地へ
PR大使就任2年目の今年、大久保さんは「Toyota Tsusho (Thailand) Co., Ltd.(TTTC)」が主催する、10万人規模の日本発信イベント「TOYOTSU JAPAN FESTIVAL 2019」(6/14〜16開催)初日に出演予定。“Colors of Tohoku ”をテーマに掲げ、宮城を中心とした東北の食・観光面でのPRが大々的に行われるという会場で、宮城観光PRキャラクター「むすび丸」(右上写真参照)と共に来場者をお出迎え。イベントを盛り上げたいと意気込みます。
「2016年に日本国内空港の民営化第1号案件として、仙台空港の運営権を東急グループ、前田建設、豊田通商で開始したことに伴って、東北のPRを総括するTTTC市原マネージャーをご紹介頂き、イベントへの出演が決まりました。違う形で地元に関われ、嬉しい限りです」と笑顔を見せます。
また新たに、生まれ故郷である岩沼市が新設した「いわぬま健幸(けんこう)大使」に就任。市をPRすると同時に、サッカー教室の開催や、子どもたちに夢の大切さを伝えていくと言います。大久保さんは指名された理由を、東日本大震災時から継続して来たサッカー教室「スマイル・フットボール」だと回顧。
「当時、僕は仙台市内に住んでいたんですが、避難所でも自宅でも子どもたちが思いっきり体を動かせずストレスを抱えていると知り、少しでもその状況を打破したいとイベントを呼びかけたんです」。当日、元日本代表の柳沢選手を含めた4選手の協力も加わり、150人以上の子どもたちが集結。付き添った保護者らも一緒に笑顔が広がっていく様子を見て、活動の継続を誓いました。
サッカー選手としてのパフォーマンスを高めながら、観光大使として地元に足を運び、その魅力を再発見しているという大久保さん。色鮮やかな四季の移ろい、海にも山にも恵まれた食の都、そして飾らない、ありのままの日本風景———。人を繋ぎ、交流を生み出す“結びの人”として、さらなる魅力を追求します。
PROFILE
大久保 剛志
Goshi Okubo
1986年、宮城県生まれ。タイリーグ「MOFカスタムズ・ユナイテッド」所属。ポジションはFW、サイドバック。Jr.ユースからベガルタ仙台FCに所属し、同チームでプロデビュー。08年ソニー仙台〜13年モンテディオ山形〜14年からタイでプレー。18年7月J2京都サンガF.C〜19年1月から現チームに。リフレッシュ方法は睡眠と入浴。試合情報はIG:@goshi40まで。
TOYOTSU JAPAN FESTIVAL 2019
“日本の今”を体感!
豪華ゲストも登場予定
6月14〜16日、「Colors of Tohoku」をテーマに開かれる日本発信イベント。食・観光・文化・企業マッチングなど、東北を中心とした多彩なブースが出店予定。開場は10:30〜21:00。
[問い合わせ]
Address: サイアムパラゴン5階ホール
Facebook: Toyotsu Japan Festival
編集部より
取材終盤、本職である選手業について問うと「来年には大きなプロジェクトが始動するので応援お願いします!」と自信を覗かせながら答えてくれた大久保さん。同郷で同い年。刺激をもらいました