EECの投資熱が急騰

件数は5倍に拡大、年間1,000億バーツ予想

東部経済回廊(EEC)への投資が好調だ。工場局のトンチャイ局長によると、今年の上半期(1~6月)におけるEEC地域への工場新設と増設の許可申請件数は251件と、前年同期比5倍に急増している。投資総額は10.8%増739億9,200万バーツで、雇用者予定数は計8957人となった。同局長は「今年の申請額は1,000億バーツまで増えそうだ」と予想する。

申請件数のうち、工場新設の許可申請は193件、投資額は374億2,400万バーツ。その中で件数が最も多かった業種はプラスチック産業で37件(投資額12億バーツ)。また、金額面では石油化学産業が最高の154億4,100バーツ(7件)。その後、電気・電子の123億4,700万バーツ(7件)、鉄鋼製品の17億8,700万バーツ(29件)が続いた。

地域別では、チョンブリー県が105件で投資額は196億バーツ(雇用者2300人)、ラヨーン県が54件で同160億バーツ(同5668人)、チャチューンサオ県で34件、同16億バーツ(同989人)となった。

今年に入り、申請がここまで急増した理由について、トンチャイ局長は「EEC政策に対する信頼感が高まり、海外投資が活発化した。また、EECの主要インフラ整備事業のうち、ドンムアン、スワンナプーム、ウタパオの国内主要3空港を結ぶ高速鉄道事業における民間企業との契約が7月中にも締結する運びとなり、投資を具体的に検討する企業が増加したため」と説明する。

EEC政策は、プラユット首相が軍事政権時代にぶち上げた新経済戦略「タイランド4.0」の中核事業で、まさに肝いり案件だ。今月10日に同首相による新政権が発足したことを機に、歩みを早めていくと予想される。工業団地の外資企業誘致も今後、加速化するだろう。特に中国企業の進出機運は高いとみられ、アリババのジャック・マー氏が同域内の巨額投資を約束するなど、積極的な姿勢を示している。そんな中、日系企業はどう投資を進めるか、注目したい。

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