eスポーツ大国へ邁進

政府が有望マーケットに照準、世界的集客目指す

世界が熱狂する新しい競技、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)。コンピューターゲームやビデオゲームなどで対戦し、勝敗を決める種目だ。競技人口は世界に1億3000万人とも言われ、メジャースポーツのテニスやゴルフを凌ぐ規模との見方もある。一方、「運動」や「健康」などスポーツとはかけ離れたイメージが根強いことから、同競技はスポーツとして認められないとみる向きもある。

そんな中、タイ政府はeスポーツを正式な「スポーツ」として受け入れる姿勢だ。タイ観光・スポーツ大臣のピパット氏は7月25日、同競技の普及を後押しする方針を表明。今後、国際大会の開催を目指すという。

そもそも、政府は2017年7月27日に同競技をスポーツカテゴリーとして認定し、タイeスポーツ連盟(TESF)の設立を承認するなど、同競技に対して肯定的な態度を取り続けている。というのも、同競技が大きな経済効果を生むと期待されているためだ。
市場調査会社の「Newzoo社」によると、2019年の市場規模は約308億バーツ。驚くべきなのはその成長率で、昨年に比べ26.7%増加しているという。同競技が成長すれば、競技者に加え、デザイナーやイベント運営者など幅広い雇用が生まれる他、観戦者の増加による観光業活性化にも繋がる。

タイの市場規模も世界第19位、東南アジアではインドネシアに次ぐ2位の大きさを誇るという。毎年10月に開かれる「タイランドゲームショー」の来場者が年々増加し、世界的な大会で活躍するタイ人プロゲーマーも近年台頭していることからも人気ぶりが伺える。

同ゲームショーの運営を行うタルンマネージングダイレクターは「タイにはゲームに興味のある人が多くいる。政府の支援や現状のITインフラなどがあれば、東南アジアにおけるeスポーツのリーダーになれる」と展望を語る。

オリンピック種目になる可能性も秘める同種目。政府の施策次第では、世界のゲーマー達が集まる“eスポーツの聖地”となり、大きな産業に発展する可能性もあろう。

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