経済効果32兆円とタワーマンション

国立競技場近辺も建築ラッシュの様相
第9回

経済効果32兆円とタワーマンション

写真・文/吉田一紀

東京オリンピックによる経済効果は、ある試算によると32兆円。日本の国家予算が約100兆円だから、その3分の1ほどをオリンピックが稼ぎ出すという。また、ある大手電機メーカーが発表した東京オリンピック関連の売り上げはなんと2,000億円以上。オリンピックがなければ派生しなかっただろうビジネスが、ここへきていろいろと顔を見せるようになってきた。
 その最たるものの一つが不動産ビジネスだ。新しいホテル建設が随所で見られるし、古いホテルのリノベーションも目立つようになってきた。また、ホテルだけではなくマンション建設も急ピッチで進んでいる。そして、バンコクなどの観光先進国では既に当たり前にある、サービスアパートメントといったカテゴリーが増えているのも最近になってのことだと思う。さらに民泊。こういったアコモデーションにスポットが当たり始めたのも、まさしくオリンピックの影響だろう。このように、経済効果は様々な場面に現れているといえる。
 前回の東京オリンピック開催は1964年。当時とは時代背景は異なるが、32兆円という途方もない経済効果は、どんなふうに日本を変えていくのだろうか。

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