出生数増は素晴らしいが…….。 若年出産が引き起こす痛ましい事件
9月26日、ある母親(22)がスコータイ警察に「赤ちゃんが拐われた」と駆け込んだ。しかし、捜査により、母親の自作自演であることが判明。
警察は母親を遺体遺棄の容疑で逮捕した。
警察によると、母親は「ミルクを詰まらせて赤ちゃんが死んでしまったことに驚き、遺体を遺棄した」と供述しているという。
ここ数年、タイでは若くして出産した母親が、赤ちゃんをバルコニーから投げ捨てたり、ゴミ箱に放置するといった事件が相次いでいる。
タイ保健省によれば、2018年の20歳未満(10~19歳)で出産した女性は7万2566人(1日当たり199人)で、全体の15%を占めた。
これは、世界保健機関(WHO)が定める出産年齢に占める10代の割合基準(10%)を上回り、世界的に高い水準だそうだ。
タイ家族計画協会(PPAT)のスラサック会長は9月26日に行われた「世界避妊デー」で、「10代の出産率が高い理由は、避妊の意識が低いことが挙あげられる」と話す一方で、少子高齢化が進むことに対しては、「子どもを欲しがらない人が増えているのも事実」と指摘した。
PPATによれば、18年の出生数は66万6109人で前年比約1万人減となり、「今年は高齢者(60歳以上)が子ども(15歳以下)の人口を抜く可能性が高い」と見通す。
出生増は良いことだが、妊娠・出産の正しい知識の啓蒙も大切だ。