「挑戦こそ仕事の醍醐味」
《プロフィール》
社長
金子浩之
かねこ・ひろゆき
■1962年生まれ、埼玉県出身。立教大学を卒業後、1986年に伊藤忠商事へ入社。主に機械カンパニーにて自動車の輸出、オートローン事業などに従事。香港や台湾での駐在や、タイ二輪車販売金融会社社長などを経て、2017年6月より現職。
■座右の銘:まずはやってみよう
■愛読書:山崎豊子、城山三郎、池井戸潤の小説など
■尊敬する人:本田宗一郎
■趣味:スポーツ観戦、街歩き、ゴルフなど
■よく見るウェブサイト:Yahoo、日経、NNAなどのニュースサイト
■休日の過ごし方: ゴルフ、散歩
設立までの経緯は
TCグループにおけるタイのリース事業は、2008年から始まりました。オートリース事業はタイ現地法人のTISCO東京リーシング(TTL)という総合リース会社の部門の一つとして2013年より展開していましたが、17年にイオングループのACSキャピタルが所有するオートリース事業を買収し、当社が誕生しました。
その後、TTLのオートリース事業とTTLが使用していた「ニッポンレンタカー」ブランドを当社に移管し、経営資源を集中させることになりました。現在、数千台の保有車両を900社近い法人のお客さまにご利用頂いています。
さまざまなサービスを展開しているのが特徴的です
そうですね。我々はタイにおいては後発組なので、すでに多くの企業が参入しているオートリース事業において、普通の営業活動だけで売り上げを拡大するのには無理がありますし、そもそもやりがいがありません。そこで当社は新たな活動の一環として、昨年、カーシェアリング事業を始めました。日本ではカーシェアの知名度はすでに高いですが、タイではまだまだ普及段階の新しいサービスと言えます。
一方、日系企業を中心に、時間貸しの需要が多いのです。タイに進出したばかりで車を持たない企業はもちろん、数十台の社用車を持つ会社でも、営業のアポイントが集中して一時的に車が不足することがあります。郊外に製造拠点が多いタイにおいては、営業のため車は必須なのですが、一方で「固定費は抑えたい」という本音もあるはずです。カーシェアはそういった声に対応できる事業だと考えています。
また、カーシェアリングは当社にとっても効果的なメリットをもたらす事業と言えます。既存のオートリース事業では、貸し出したリース車両のメンテナンスや修理により不稼働となった場合に備え、代車を一定数揃え、バンコク内外の複数拠点で管理しています。しかし待機中の代車を駐車場に停めておくだけでは収益を生みません。そこで、カーシェアで代車を有効活用することにしました。9月からはバンコク・チョンノンシーにも4拠点目を設け、サービスを拡大しています。他にも、リース満了車の直接販売や定期メンテナンスなどの車両管理を一括で行うカーマネジメントサービス、中古車の短期レンタルサービスなども行っています。当社は新参者なので、「まずはやってみよう」の精神で挑戦を続けて、サービスの幅を広げるのが重要と思います。
これからも挑戦は続けていくと
もちろんです。例えば今、タイのIT系スタートアップ企業と積極的にタイアップしようと取り組んでいます。彼らのテクノロジーと多数の車両を持つ当社の事業を組み合わせれば、まだ世の中にない斬新なサービスが誕生すると期待できるからです。そのためにはまず社内に、積極的に挑戦できる雰囲気をつくることが大事です。私は日頃から社員に「まずはやってみよう。やってみないことには始まらない」と呼びかけるようにしています。もともと2社のオートリース事業が統合して誕生した新会社なので、まだ社風が確立していないのが現状です。
当社が生まれて間もない今こそ、将来に渡って続くカルチャーを根付かせるチャンスでもあります。当社が後発組だからチャレンジ精神が大事ではありますが、何より新しいことに挑戦すること自体、楽しいものです。社名の「TC」は親会社の東京センチュリーを意味しますが、個人的には「トクチャイ(タイ語で『驚き』)」の略と勝手に思っています。我々自身がワクワクするような仕事をしていきたいですね。
その他に、今後の展望があれば
今の強みをさらに伸ばしていきたいですね。ひとつは、スタッフ各人が持つ営業、メンテナンス、財務・経理などの専門性の高さ。タイ人、日本人スタッフが協力し合ってすぐに対応できる点も挙げられます。何より、「ニッポンレンタカー」というブランド力をタイでより高められたらと思います。そのためにも今後もお客さまの安心・安全をしっかり守っていきます。