実は旺盛な個人消費

年末年始の支出が過去最高、第2Qは景気好転?

タイ人の消費意欲は衰え知らずだ。

タイ商工会議所大学は12月11〜20日にかけて、年末年始における支出計画をタイ人にヒアリングする消費動向調査を実施。

その結果、支出予定総額は1,378億Bに上り、2006年の調査開始以来、最高額となった。

では、どのようにお金が使われる予定だったのだろうか。

同調査によると、用途別では「旅行」が962億Bと最多で、2位は「消費財」の174億B、3位は「宴会」で110億B。

一方、最も少なかったのは「贅沢品」の11億Bだった。

また、バンコク都内での支出が580億バーツと、全体の支出計画の4割を占めるなど、消費地が大都市圏に一極集中している現状が浮かび上がった。

ともあれ、これだけ見ると足元の景気はさほど悪くないように思える。

ただ、同大学は今回の支出総額が前年同期比1.9%増と、前年比の成長率としては過去最低水準に留まったことも指摘。

同調査によると国民の3割以上が現状の不景気を意識しており、実体経済として景況感が決して良くないことが伺える。

しかし、経済に波は付き物で、不況もいつかは終わるのが世の常。同大学の経済・ビジネス予想研究所は「20年第2四半期から経済が持ち直し、国内総生産(GDP)の成長率は3%ほどの水準に回復するだろう」と予測した。

そうなれば、さまざまな分野の景気を押し上げ、タイ経済が好転すると分析する。昨年は、国民に1,000Bを支給する「シム・ショップ・シャイ(登録制)」や、低所得者に一定額の生活支援金を支給する「福祉カード」の拡充といった景気刺激策が実施された。

今年はどのような政策で経済成長を図るのか。

また、米中貿易戦争をはじめとする世界的な環境変化によって市場はどう揺れ動くのか。

そして、各企業、個人は現状どのような立ち位置にあり、今後どう行動すべきなのか。

「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の言葉通り、周りの環境と自身の状況をしっかりと把握し、この不安定な景気下でも成長できるような1年にしたい。

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