大晦日・元日を含む年末年始の交通事故。 その約4割は、飲酒運転によるものだった
「交通ルールを守り、無事故で明るい年末年始を迎えましょう」。誰もがそう願うが、飲酒の機会や忙しなく運転するドライバーが増えるこの時期は1年で最も交通事故が多く、悲しいニュースが祝賀ムードに影を落とす。
タイでは例年、帰省やUターンラッシュなどにより交通量が増す12月27日〜1月2日を「危険な7日間」と呼び、内務省防災軽減局内の交通安全部を中心に対策を強化している。
今回は全国に2000カ所以上の検問所を設置し、免許証の不携帯やヘルメットの未着用にはじまり、飲酒や速度違反といった取り締まりを行った。
ニポン内務副大臣の発表によると、結果として今回は元日の547件をピークに、同期間中に全国で3421件の交通事故が発生。
前年比370件減、負傷者数も1割以上の減少となったもののバイクによる事故が全体の約8割と圧倒的多数を占め、日が暮れ始める16〜20時頃の発生が目立ったという。
また、昨年の死亡者数最多は東北部ナコーンラーチャシーマー県だったが、今年はバンコク都内の15人となったという。
さらに特筆すべきは、昨年に引き続き飲酒運転が32.7%と最多の原因となったことだ。
17年に法改正され、タイでは飲酒運転に該当する血中のアルコール濃度が150mg/dlから50mg/dl以上に引き下げられたが、遵守されているとは言い難いだろう。
多くの人々を奈落の底へと突き落とす飲酒運転には、厳罰化を望む声も多く寄せられる。
同副大臣は2020年を通し、一層の対策強化やガイドラインの制定に注力すると宣言した。