振袖が紡ぐもの

振袖姿の女性と一緒に写真に収まるタイ人男性。ご機嫌である
第26回

振袖が紡ぐもの

写真・文/吉田一紀

松の内も明けた1月13日。日本は3連休の最終、成人の日だ。都内でもあちらこちらで振袖姿を見られたが、たまたま仕事で出かけた浅草寺にも成人式帰りの女性がたくさん訪れていた。まだ正月ムードが残る境内は多勢の参拝者で賑わっていて、とにかく外国からの訪日客が目を引いていた。
 その数は数年前に比べると、驚くほど多くなっている。ぱっと見たところでは日本人の方が少ないのではないかと感じるほどだ。境内の案内もしっかりと英語が併記され、おみくじにもきちんと英語による説明が記載されていた。
 そんな境内の中でも、やはり振袖姿は華やかで、まことしやかに日本を感じさせるファクターとして十分すぎるほど機能していた。彼女たちは「写真を撮らせて」と、外国人から声をかけられるのもすでに慣れたもの。しなをつくって無難に写真に収まる女性が多かった。東京2020大会の年。オリンピックへの関心が薄いといわれる日本人だが、異国とコンタクトする人々の意識も少しずつ高まっているようだ。

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