捲土重来

景気低迷でも、タイのビジネス熱は冷めず?

「経済の閉塞感はあるでしょうが、タイには未発展市場もあり、期待はしています」。

こう話すのは、機械類の油を拭き取る際に使う「ペーパーウエス」を販売する日系企業だ。

タイの製造現場や飲食店などでは、布ウエスが主流。

何度も使えるが雑菌の心配や糸くずが生じるため、日本では丈夫な使い捨てのペーパーウエスが潮流だそうだ。
1月28日、日本政策金融公庫、バンコク日本人商工会議所(JCC)、タイ投資委員会(BOI)の共催で「日タイビジネス商談会」が開かれ、日タイ企業約400社が参加。

そのうちの100社ほどに、タイの現況などを聞いた。
やはり、自動車業界に携わる企業(バイヤー側)で「工場のライン停止や生産量の削減計画を立てている」や「コスト削減や効率化に繋がるシステムを導入したい」「今以上の安価な材料が欲しい」といった生産体制の見直しを望む声が多かった。

一方で、サプライヤー側からは「現場を変革させるシステムを売り込みにきた」「政府が環境保護や製造現場の自動化を推し進めているので営業がしやすい」など、今が好機と捉えている様子だった。

参加企業の顔ぶれも、コスト削減・効率化に繋がるIoT・AIなどの新技術を売り込む初参加の企業も目立った。

また、そうした積極的な姿勢を示す企業には、多くのタイ企業も含まれる。

ある自動車部品を取り扱うローカル企業は「品質と価格両面で納得いただいた」や「タイの景気の浮き沈みは常。

だが、持ち直しも早い」と前向きなコメントが多かった。

昨年は、自動車生産台数が5年ぶりに減少した。
だが、高度産業集積地を目指す東部経済回廊(EEC)への新規投資額は右肩上がり。

裏を返せば、数年後には、電気自動車や航空・医療分野など、タイにはなかった高付加価値産業が発展期に入る。

直近は、世界経済の不透明さやバーツ高による影響はあるものの、まだまだタイは、新市場が生まれ・拡大する期待値の高い国なのだろう。

捲土重来のごとく、回復を切に願う。

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