お客さまとスタッフ、すべての人が幸せになれるカフェ
CEO
Suranand Vejjajiva (Poom)
スラナン・ウェーチャチーワ
「毎日使ってもらえるカフェ」を目指し、異色の元政治家がオープンしたBrainwake Café。バンコクに9店舗を展開(2020年1月現在)。オーガニック食材を使ったメニューの他、和洋折衷・タイの朝食は、ビジネスパーソンから家族連れなどに喜ばれている。人気の秘密をスラナン氏に聞いた。
異色の経歴ですよね
確かに、2014年までは政治家でした。その後、テレビ番組へのレギュラー出演をきっかけに、多くの飲食店を取材。多種多様なレストランのオーナーやシェフにインタビューするうちに、「自分で飲食店を開いてみたい」と思ったことが、外食産業への参入のきっかけです。
また、父が外交官でしたので、幼い頃に世界各国の料理を現地で食べる機会に恵まれたのも、“食”への興味を高めた所以の一つかもしれません。
カフェのコンセプトは?
いざ自分のお店を開くことを決意した際に目指したのが、「毎日利用してもらえる店」でした。例えば、朝仕事へ行く前やランチ、時間の空いた際に気軽に入れる店ですね。出店する際に最も大事にしていたのが、「ココに店を出せば、毎日通ってくれる人たち(=コミュニティ)に溶け込めるかどうか」です。店名の「Brainwake」は、“脳を目覚めさせる”という意味ですが、脳が目覚めるほど上質で美味しいコーヒーと料理を提供することをテーマにしています。インテリアや味は、“日本品質”を大きく意識しています。日本の街角にあるカフェのような感じですね。
日本のカフェは朝昼晩、いつ利用しても変わらぬ味を楽しめ、上質なサービスを受けることができます。それには、雰囲気作りも大切なのです。
朝はビジネスパーソンが、その後は主婦層や休日を楽しむ方々など、あらゆる時間・あらゆる人たちに、生活の一部として活用してもらえるよう心掛けました。コーヒー、ベーカリー、カフェゴハンなど、あらゆる面で日本の流行りやセンスなどを加えているつもりです。おかげさまで、トンロー店には、多くの日本人の方が足繁く通って頂いています。
価格も手頃で嬉しいですね
毎日使ってもらえるよう企業努力の賜物だと思っています。
コーヒーと食事のクオリティを落とさないよう、それでいてお手頃感を出せるように、そして利益に繋げ、スタッフやお客様が喜ぶ品質向上へ還元できるよう、立地・店舗面積からメニュー、仕入れなどあらゆる面に気を遣っています。
スタッフサービスの高さも評判ですね
ありがとうございます。政治家時代に最も大切にしていたのが、“人材”です。すべての国民がどうしたら幸せになれるかを毎日考え、実行してきたことで、サービス精神が自然と身についていました。その後のメディア経験で実際の現場のマネジメントも経験できたことが大きいですね。
おかげさまで、スタッフの離職率は低く、サービス品質の安定と向上に寄与しているのだと思います。利用者(顧客)の幸せは当たり前ですが、そこに、スタッフの幸せと、その家族や地域の幸福度を高める努力を続けていることが「Brainwake Café」の最大の強みかもしれません。
今後の展望は
4年間で9店舗(うち1店舗はヌードル専門店)までの拡大は、計画よりも早いペースでした。今後は現状の店舗のクオリティをさらに高める努力に費やすつもりです。
一方で、評判を聞いた方々から、プーケットやチェンマイといった地方での出店を求める声も頂戴する他、日本でのタイ料理店のオープンや、Brainwake Caféとして日本進出を要望する方など、多くの話を頂いています。とはいえ、無理に拡大すれば、クオリティ・コントロールができず、質の低下が顧客離れに繋がりますので少しずつの拡大です。なにより、人材ありきで進めていくつもりです。
休みはなさそうですが
ありがたいことに、ありません。空いた時間は読書に費やしたり、4匹の犬たちと遊ぶくらいでしょうか。
Brainwake Co., Ltd.
02-261-0217
27/1 Soi Sukhumvit 33, Sukhumvit Rd., Klongton-Nua, Wattana, Bangkok 10110
http://www.brainwakecafe.com/
2015年に1号店をスクンビット・ソイ33にオープン。バンコク都内を中心に9店舗を展開。地域の人たちが毎日利用できるカフェを目指している。