「知的財産はビジネスの武器防具!模倣品流通の実態Part1」 – 知財・模倣対策の プロ講座!第6回

加藤 範久 - 日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所 知的財産部長

日本貿易振興機構(JETRO)

バンコク事務所 知的財産部長 加藤 範久 Kato Norihisa

2003年特許庁入庁。特許審査官として、土木、アミューズメント分野の特許出願の審査に従事。2017年10月より現職。

 

社員が勝手にダウンロード!違法ソフトの摘発。 本当にあった怖〜ぃ話

これまでの5回で、模倣品を売ったり、輸入したりする行為が、商標等の知的財産権を侵害するということはお分かりになったのではないでしょうか。

今回は、ビジネスシーンに潜む知的財産侵害のリスクについて説明します。
日系企業31社が摘発 タイには、約6000社の日系企業が進出しています。

中には、日本人1人の他、すべてがタイ人スタッフという会社もあり、ミスコミュニケーションや文化・慣習の違いから大きな問題に発展することもあるでしょう。

例えば、オフィスで利用するPCにはソフトウェアが入ってますが、そのソフトウェアが、著作権者から正規のライセンスを受けていない、いわゆる海賊版ソフトウェアであることがあります。

当然、海賊版ソフトウェアを業務で利用するだけで著作権侵害になります。

現実問題として、ビジネスソフトウェア連盟(BSA)によると、タイでは、過去に日系企業31社がタイ警察の摘発にあっています。

罰金数千万バーツの事例も 違法行為によって警察の摘発を受けると、コンプライアンスを遵守できなかったことで、企業として罰せられますし、その企業はビジネス上の信用も失うことになります。

数千万バーツの罰金が科せられた事件もあり、その代償は軽くはありません。

また、海賊版ソフトウェアにはセキュリティ上のリスクが付随していることも多く、海賊版ソフトウェアを利用してオフィスのPC全体がコンピュータウィルスに感染し、重要な顧客データや機密データが流出するということもあります。

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