2020年、知識の詰め込み式から脱却へ 学生の自主性を尊重する教育体制も
「宿題や試験勉強に追われながら、知識を頭に叩き込む」。そんな経験をしたことがある方も多いのではないだろうか。
タイも同様で、多くの学校で「画一的な詰め込み教育」が行われている。
ところが今年、そんな教育現場に変革の波が押し寄せている。
中等部と高等部を持つ国立校「ワット・ボーウォンニウェート校」は新学期が始まる5月、宿題や試験を課さないフィンランド式の教育モデルを導入する。
同校では、宿題や試験勉強のために生徒が夜遅くまで机に向かい、睡眠不足で授業に集中できないといった問題があった。
また、勉強以外のスポーツや遊びなどに割く時間が減り、生徒の判断力や創造力を伸ばす時間も少ないのが現状という。
放課後にしっかりと生徒の時間を確保することで、学生の自主性を育みたい考えだ。
タイ最古の歴史を持つ小中高一貫校「バンコク・クリスチャン・カレッジ」は、文系や理系などの大きな枠でクラスを分けず、「医学」や「文学」など15の専門教科を設定。
幅広い選択肢を用意することで、生徒が学びたい領域を見つけられるように促す。
かつて日本でも「ゆとり教育」を導入し、子どもの自主性やクリエイティビティの向上を目指した時期があった。
しかし学力低下を招いたとして、現在は「脱ゆとり教育」の方向に歩みを進めている。
タイでは日本の例をふまえ、より良い指導法が確立されることを願いたい。