石井正忠監督独占インタビュー


―監督就任までの経緯を教えてください

昨年10月に茨城県鹿嶋市の学校給食センターを退職し、サッカーの現場に戻りたいと考えていた時に、現チームのオーナーからお話を頂きました。

監督時代の実績などに興味を持ったそうです。

ただ、家族のこともあるので出来ればJリーグで働きたかったというのが当時の本音でした。

それでもオーナーが「とにかく一度チームを見て欲しい」とタイに招待してくれたんです。
(同月に)ホームゲームの最終戦を観戦し、オーナーから今後の方針などについて意見を交わしました。

その時から徐々に気持ちが監督就任のオファーを受ける方向に傾いていきましたね。

それでも家族と相談の結果、一度はオファーを断ったんです。

もうすぐ中学に上がる子どもがいますし、「離れて暮らすのは不安」と言われまして。

そしてJリーグで働く道を模索していたのですが、11月に再びオファーを頂いたんです。

最初の話をもらってからの1カ月間で家族もいろいろとタイのことを調べて理解してくれたので、「年齢的にも海外で働く最後のチャンスだな」と思い、12月に正式に契約を結びました。

―チームの第一印象はいかがでしたか?

現役時代に国際大会でタイのチームと戦ったことがあるのですが、タイ人選手の技術レベルはその時よりも上がっているなと実感しました。

また、日本人に比べてボールへの執着心が強いですね。

一方でラフなプレーに繋がって不要な警告を受けたり、守備に気が回っていなかったりするので、選手には広い視野で、冷静にゲームを展開するように求めています。

―サッカー界でも日タイの交流が深まっているように感じます

Jリーグで活躍するタイ人選手が増えてますよね。

当チームも今季から小野悠斗選手と坂井達弥選手も入団しましたし、昨シーズン王者のチェンライ・ユナイテッドFCの滝雅美監督も日本人。

ぜひ在タイ日本人の方にはタイリーグにも興味を持ってもらえると嬉しいです。偶然にも2月14日のリーグ初戦の相手はチェンライ・ユナイテッドFC(試合結果は1−1のドロー)その他にも日本人選手が居るチームはたくさんあるので、ぜひ日本人対決にも注目して頂ければと思います。

しかし、個人的にはもっと日本人がタイリーグに来ても良いように感じます。

タイのリーグは日本よりも接触プレーが多く、グラウンドの状況も良くありません。

その中でプレーすれば、タフさやハングリー精神が身に付くでしょう。

タイ人選手も日本のリーグに来ることで、チームプレーの面など学ぶことがあるかと思います。

僕自身も、これまで日本で外国人選手を受け入れる側だったのが、今回は僕自身が外国人としてチームに加わるという貴重な経験をさせて頂いています。

僕が日本に帰った時、外国人選手とどうコミュニケーションを取れば良いかを学ぶ良いきっかけになっていますね。

―今季の目標は

前季はリーグ6位だったので、今季はトップ3位内に入りたいですね。

もちろん、目指すは1位。

リーグ優勝すればアジア・チャンピオンズリーグに出場できますから、そこで日本のチームと対戦したいという気持ちもあります。

また、こちらでも引き続きチームのマネジメントや組織論を勉強したいので、できる限り多くの日本人経営者と交流できたらと思っています。

昨年は主に学校給食センターで働いていたのですが、その時の女性リーダーの細やかな段取りは監督業の参考になるものでした。

これまでサッカー界という狭い世界に居たので、もっといろんなリーダー論に触れたいですね。

そのためにも、サッカー教室やイベントには積極的に参加し、接点を増やしていければと考えています。

ぜひ気軽にお声がけ頂ければ幸いです。

 

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