ズバリ! バンコクの模倣品売り場はココです!
数年前までは、今以上に模倣品は手に入りやすかったのですが、タイ政府機関らの積極的な取組で、最近は模倣品が売られているマーケットは減少傾向にあります。
その結果、タイは米国通商代表部(USTR)のスペシャル301条報告書において、「優先監視国」の指定から除外されて、現在「監視国」になっているほどです。
USTRは、このスペシャル301条報告書とは別に毎年、世界で模倣品が売られているマーケットを「悪名高きマーケットリスト」として公表しているのですが、現時点で最新の2018年版のリストでは、「パッポン通り」がタイで唯一掲載されている場所です。
パッポン通りの他にも様々なショッピングセンターやマーケットで少なからず模倣品は販売されています。
また、販売店以外でも、例えば、自動車の修理工場等で知らないうちに模倣品の部品に取り換えられることもあるようです。
模倣品の新市場“ECサイト”
タイでは、急速にオンライン決済や電子マネーが普及・浸透しています。
さらに、タイ人は、世界で最もスマートフォンの利用時間が長く1日平均5時間13分というデータもあります。
そこで、“悪徳”模倣品販売業者が考えたのが、SNSやECサイト等、オンライン上での販売です。
タイ市場調査協会によると、タイのスマートフォンユーザーの71%は月に平均2回以上、オンラインショッピングを行っているそうです。
タイのEコマース市場は、急成長しており、現在の取引額は約35億USD、2025年までに130億USDになるとの予想もあるほど。
タイのECサイトでは、LazadaやShopeeが有名ですね。
日本のECサイトに比べると、タイでのECサイトはまだ知財保護に積極的でないという問題もあります。
そもそも、オンライン上の取引は、模倣品を売りやすく、また摘発もしにくいと言われています。
悪意のある模倣品販売業者はウェブ上に掲載する写真等の物品の広告は本物のように偽ったり、出品者の情報を匿名や虚偽の名前、住所としたりすることで仮に権利者から指摘を受けても摘発されにくい等の特徴があります。
ECサイト運営会社が反撃の狼煙
ただ、ECサイト側も黙ってみてるわけではありません。
最近だと、例えば、Lazadaは、2019年に権利者が模倣品販売していることを見つけるとその旨をLazadaに簡単に申告できるサイトを設け、申告があると数日で模倣品を販売しているサイトを削除するシステムを構築しました。
また、出品者に対して知財保護の教育を行うウェブページを設ける等の取組も進めています。
徐々にではありますが、ECサイト上での知財保護の取組が進み出しています。