さよなら東急東横店

渋谷の街中に貼られたポスター。「マジ、ショック」だ
第35回

さよなら東急東横店

写真・文/吉田一紀

渋谷の街の変わり様については、このコラムで何回か書いたことがある。新しい商業施設が次々に誕生し、街の景観は大きく変化した。しかし、新しくそこに誕生するものがあれば、そこから去っていくものもある。東急百貨店の東急東横店が、3月いっぱいでついに閉店する。
 1934年開業という長い歴史を刻んできた老舗百貨店が閉店。デパートがまだ輝いていた時代には、ここで百貨店の流儀のようなことを教わった。渋谷駅の直近ということもあり、通勤の途中によく立ち寄ったりしたものだ。閉店の背景には、東急電鉄などがすすめる渋谷駅再開発がある。2020東京大会が開催されるタイミングに、変わりゆく渋谷がさらに大きく舵を切ったことになる。
 オリンピックというイベントは、開催都市のインフラはもちろんのこと、さまざまな物事を新しく塗り変えていく。きっと自分も変わらなければならないのだろうが、どうやらこの渋谷の変わり様にはかなわない気がする。

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