タイの人気歌手であり俳優のトーノーさん。 彼の挑戦はスラータニー県のビーチから始まった。
人は、時として限界を超えて挑戦しようとする生きものだ。トーノーさんが目指したのは、海を越えた82キロ先にあるサムイ島だった。
事の始まりは今年1月。
タイの「サスティナブル・オーシャン・アンバサダー」としても活動するトーノーさんは、記者会見で海洋生物保護のための支援プロジェクト「One Man & The Sea」を発表。
同時に、前述のチャレンジを宣言した。
世界的に深刻化する海洋汚染により、海洋生物の健康が損なわれている昨今。
トーノーさんは活動を通じて、海洋生物を救うために必要な医療機器などを購入するための寄付を呼びかけた。
このニュースは瞬く間に話題になり、発表直後から続々と寄付金が集まりだしたという。
チャレンジ初日、並泳するパートナー、カヤックと船によるサポートチームと共にスタート。
全行程は、3月19日から4月5日までと予定されていたが……。
スタートから1週間後の3月25日、予期せぬピリオドが打たれた。
トーノーさんは長時間泳ぎ続けた疲労から、4日目に肩と背中を負傷。
その後も痛みをこらえて泳ぎ続けたが、新型コロナウイルスの影響もあり、リタイア。
それでも27キロを泳いだ彼のもとには、約246万Bもの寄付金が集まっていた。
「皆さんのご協力に心より感謝します。
今回の活動を通して、海洋生態系の大切さ、プラスチックの使用を減らす意識が少しでも広がれば」とトーノーさん。
体を張ったチャレンジは、多くの人の心を動かしたに違いない。