10代に人気の短編動画アプリ「TikTok」が今、 ミドル世代にもじわりと浸透、大きなブームとなっている。
家で過ごす時間が増えるにつれ、心のケアやストレス対策が取り沙汰される。なんとか明るい毎日を送ろうと人々が知恵を絞る中、タイではとある動画アプリが注目を集めている。
きっかけは今月1日、YouTubeに投稿された1本のカバー動画だ。
ジェン、ヌン、ボウの3人娘からなるルークトゥングループ「スーパー・バレンタイン」が2011年に発表したその名も「スーパー・バレンタイン」を、一般のタイ人男性がパロディ化。
1人3役をこなし口パクで踊るその“完コピ”ぶりが話題になり、再生回数は公開からわずか2日で80万回を突破。
さらにインフルエンサーたちがこれに便乗した模倣動画を動画アプリ「TikTok(ティックトック)」に次々と投稿したことから、同アプリの利用者数が急上昇。
ベトナムやインドネシアと並び、東南アジア第3位の累計1000万ダウンロードを記録するに至った。
18年に初上陸した同アプリは、15〜60秒で撮影された動画を投稿・閲覧でき、世界150カ国以上で利用される。
タイでも中高生を中心に親しまれるが、中には差別や危険な行為を助長する稚拙な内容も多く、嫌厭(けんえん)されがちだった。
今回のブームの背景には同社のイメージ戦略も挙げられるが、「TikTokの魅力は単純に自撮り・投稿できるだけでなく、ユーザー自身の創造力でコンテンツを作り、他者と容易に共感し合えること」と、広報担当者。
今まで以上にSNSとの付き合い方を考えざるを得ない状況ではあるが、兎にも角にも「笑う門には福来る」。
時にはこんな息抜きだっていいだろう。