タイ未確認の家畜伝染病によりウマ534頭が死亡。 国民的ドラマに出演の名馬も犠牲で、一層話題に…。
アフリカで誕生した人類とウイルスの戦いは、遥か太古の昔に遡る。しかし、ウイルスに苦しむのはヒトだけではない。
タイでは今、国内初となる家畜伝染病が発生している。
その名も「アフリカ馬疫(AHS)」だ。
初めてAHSが確認されたのは3月下旬のこと。
東北部ナコーンラーチャシーマー県内の牧場から畜産局へ、「2月下旬から飼育するウマ62頭に発熱や食欲低下などの症状がみられ、うち42頭が死亡した」との通報があった。
当初は新型コロナウイルスへの感染が疑われたが、調査によりヌカカなど吸血昆虫の媒介により発生するAHSであることが判明。
その後、同局では厩舎に蚊帳を張るなどの策を講じたが、全国10県に感染が拡大。
現在までに534頭が犠牲になる最悪の事態となった。
そもそも中東やインドなどでみられるAHSがなぜ今、タイで起きたのか。
その侵入経路は詳らかでないが、AHSにより欧州へのウマの輸出が停止された他、隣国の国境地域でも検疫を強化するなど、世界の畜産業界に大きなダメージを与えている。
一方、タイの世間一般がこれに関心を寄せ始めたのはつい最近のこと。
社会現象を巻き起こした大人気ドラマ「ブッペーサンニワート(運命のふたり)」にも出演経験のある牡馬・バレンタインが13日に死亡し、彼との“共演”経験がある著名人たちが追悼コメントを発表したためだ。
同局ではワクチンの接種計画を明らかにしているが、誰しもこんなに辛く悲しいニュースはもううんざりだろう。
一刻も早い終息を願ってやまない。