with コロナを見据えた リアルとVRのイベント支援も発表
バンコクから北東へ車で約3時間半。東北地方(イサーン)最大の都市にして、その玄関口となるナコーンラーチャシーマー県(通称コラート)は、南北を繋ぐ主要道路が走る、ビジネスにおける重要地点。
加えて、豊かな自然が広がるカオヤイ国立公園やクメール王朝時代の遺跡群などバラエティに富んだ観光資源が魅力だ。
そんな幾つもの可能性を秘めた同地に、このほど白羽の矢が立った。
タイ政府による観光強化事業の一つ「MICE(マイス) City」に認定されたのだ。
MICEとは、企業などの会議(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentive Travel)、学会・国際会議 (Convention)、展示会・見本市・イベント(Event)の総称。
タイ政府は2010年頃から同プロジェクトに熱を入れ、バンコクをはじめチェンマイ、プーケット、ソンクラーなど6カ所に渡り事業を展開してきた。
タイ会議・展示会事務局(TCEB)のチルット事務局長は、より優れたMICE City実現のために ①県内のマーケティング促進 ②MICE事業に繋がるローカル文化の促進と開発 ③国際基準に則った事業展開に向けた人材育成 ④効率的な管理システムの開発が鍵を握ると言及している。
しかし頭をよぎるのは「New Normal」。
アナティン副首相兼保健相︎は、「新型コロナウイルス対策に関して世界的な評価を得ているタイは、万全な感染対策を継続しつつ、観光事業や医療ツーリズムといった面でMICEの中心地となる可能性を秘めている」と今後の展開を予想。
またリアルな場でのイベントと同時に、オンライン化に向けた支援計画を明らかにした。
現在、巷では少しずつオンラインイベントが増えている。
まだ試行錯誤の段階だが、視聴者を引きつける仕組みを創り出すことができれば、会場費が削減でき、消費者の動向が把握しやすいといったメリットのあるオンラインイベントは、ビジネスの追い風にもなり得るだろう。
先月催されたタイ物産展「OTOP Exhibition」では、収益4億B超という明るいニュースも聞こえてきた。
リアルとバーチャル(VR)の境界を越えた、新たな展開に期待したい。