「アイカイ」という名の座敷わらしのような彫像が大人気。 ナコーンシータマラート県の地域おこしに一役買う。
日本で座敷わらしと言えば、座敷や蔵に住む神とされ、幸せをもたらすとされる存在。そんな座敷わらしのような「アイカイ」という名の彫像が、にわかに注目を集めている。
「アイカイ」と名付けられた彫像が祀られているのは、南部ナコーンシータマラート県にある寺院「ワット・ジェディー」。
30年ほど前、ある彫刻家が、夢の中で一人の男の子に「自分の彫像を作ってくれ」と頼まれて彫像を作ったところ、村民の間で「アイカイ」と呼ばれるようになったという。
その後、彫像に祈願することで“失くしモノが見つかる”という噂が広がり有名になっていった。
さらに拍車がかかり「アイカイ」は何を願っても叶えてくれて、特に金運にご利益があるとして、口コミでその名が知られるようになった。
有名司会者のカラメー氏も「アイカイ」を参拝した一人。
祈願に行ったところビジネスが大成功し、大金を手にしたというニュースがSNSなどで拡散された。
この話題が後押しとなり、現在、同寺院は空前の“人気観光地”となり、国内線各航空会社が増便を実施。
1日3000~4000人だったナコーンシータマラート空港の利用者数が、6000~7000人にまで増加。
発着便の便数も1日24便から50便にまで増えたという。
「アイカイ」への信仰は同県の経済を支えることになり、地域の宿泊施設やレストランに貢献している。
タイ版座敷わらしは、思わぬ形で地域おこしに一役買っている。