2月24日、中国製ワクチンが到着 コロナ禍終息のプロローグとなるか
2月24日、中国シノバック・バイオテックのワクチン20万回分を積んだタイ国際航空機が、スワンナプーム国際空港に到着。同日、プラユット首相がこれを出迎え、「ワクチンは予定どおりタイに到着した。
これらは全てのタイ人のものであり、これから十分に調達していく。
政府には、徹底的にワクチンを広めていく計画がある」と述べた。
さらに同ワクチンは今後3月に80万回分、そして4月に100万回分が届く予定だ。
また同日、英国アストロゼネカのワクチン11万7600回分が予定よりも早く到着。
周辺国よりも出遅れの感があると言われていたタイのワクチン事情は、これで一気にスタートラインに立てたことになる。
新型コロナウイルス感染症対策センターによると、まず今回の20万回分のワクチンは感染リスクの高い13都県に供給するという。
現時点で最も感染者数が多いサムットサコーン県には7万回分が振り分けられ、医療従事者や基礎疾患を持つ人、そして合併症リスクの高い人などへの接種が優先される。
さらに、バンコク都には6万6000回分、パトゥムターニー県には8000回分というように、感染者数が多い都県や観光拠点へのワクチンの配布数が多くなるというわけだ。
さて、気になるのはワクチンの接種計画である。
まず第1期として3月から5月にかけて200万回分のワクチン接種を実施。
接種対象は医療関係者、基礎疾患を持つ人、60歳以上の人など。
そして6月から12月にかけての第2期には、観光業従事者やパイロット、外交官、一部の一般人や長期在タイ外国人なども接種対象となり、6100万回分の接種が予定されている。
計画どおりに進めば月に約1000万回分の接種が可能となり、観光客誘致も再開され、タイ経済が上向くのではないかという憶測が早くも飛び交っている。
そして一方、タイ国内におけるワクチン製造も進んでいる。
それはチュラロンコン大学の主導で開発中の「ChulaCov19」というmRNAワクチン。
まだ5月をめどにボランティアによる治験が開始されるという段階だが、コロナ禍が終息に向かうシナリオは急速に整いつつある。