『タンブンの代行なら、当店へお任せください!』 仏具通販サイトのこんな新サービスが物議を醸している
この1年、私たちはニューノーマルに前向きに順応し、ネット通販から遠隔診療までコロナ禍で急増するオンラインサービスを享受している。だが、信仰領域となると話は異なり…。
事の発端は、とある仏具専門店がFBに投稿したこんな告知にある。
「早起きができない、忙しくて寺院に行く暇がない――。
そんなアナタに代わって、タンブンを承ります」。
タイでは言わずと知れた「タンブン(徳を積む)」だが、投稿によれば、米や菓子入りのいわゆる“タンブンセット(1個99B〜)”をサイト上で買うと、購入者に代わってチェンマイ県内で僧侶にお布施をしてくれるという。
また、その様子を撮影し、写真やビデオが購入者に届くシステムだ。
2月24日のサービス開始後、1日約20人分のタンブンを代行し、1週間先まで予約は埋まっているという。
しかし、国民の9割が仏教徒であるが故に、波紋を呼ぶことは想像に難くない。
もちろん賛同意見もあるが、否定派の中には代行の有益性を問うものから仏や僧侶への冒涜、悪質商法を疑う声まで飛び交っている。
これに対し、同店の運営者(32)は販売料金に交通費やサービス料は含まれず、慈善事業であると反論。
利用者の中には身内を亡くした帰国困難者や入院患者もいるといい、慣習の在り方にも一石を投じている。
世間を賑わすこの問題について、TV局がノンタブリー県スワンケオ寺院の高僧・プラパヨム氏に見解を求めたところ「何もしないよりは良し。
加護もある」とのこと。
ちなみに日本では、代理業者への祈祷や授与を断る寺社も…。
解はあるのだろうか。