旅行詐欺でなんと懲役4355年

「日本へ旅行できる」と871人のタイ人を騙した 詐欺集団の女性主犯格に言い渡された刑罰とは…

昨年と今年はコロナ禍の影響で海外旅行はままならないが、タイ人にとって日本は人気のデスティネーションの一つである。

そんな需要を見越して多くの人を騙した詐欺集団がいる。

話は2017年にさかのぼる。

この年のソンクラン(タイ正月)に日本への旅行を楽しみにしていた871人のタイ人が4月11日、スワンナプーム国際空港で出国を待っていた。

ところが彼らに用意されたフライト便はなく、出発ロビーは大混乱となっていた。

集まっていた人たちは全員がサプリメント販売会社である「WEALTHEVER」の会員。

「シンセーショウグン」というニックネームで知られるパシット容疑者が経営する同社の“会費を払って会員になれば日本旅行に無料招待”という宣伝に乗った人たちである。

同容疑者は翌12日に逮捕されると、その詐欺の手口を自白した。

同年1月に中部ナコーンサワンに会社を設立。

1,380Bの会費で会員を募り、さらに8,380Bを支払えば上級会員となり、サプリメントが無料でもらえ日本旅行にも招待すると騙したのだ。

被害者である会員から集めた金でコンドミニアムや車を購入し、海外旅行を繰り返すなど派手な暮らしをしていた。

871人から集めた金の総額は5,100万B以上だったという。

刑事裁判所は同被告に犯罪1件(被害者一人)当たり5年、871件分の合計4355年の懲役を求刑。

上訴を経て3月12日に下級裁判所により求刑通りの判決が下りたが、タイの法律では懲役20年が最長となり、実際は20年間の懲役。

1件当たりの懲役年はだいぶ少なくなり、被害者の怒りはますます収まらないだろう。

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