今季の明治安田生命J1リーグは7月11日に22節までの試合を消化し、東京オリンピック開催に伴い中断期間に突入。多くのクラブがつかの間のインターバルを過ごし、8月9日から23節が再開した。
8月14日時点で首位に立つのは、川崎フロンターレだ。昨季、史上最多となる勝点83を獲得し、三度目のリーグ制覇を成し遂げたチームは、今季も開幕から圧倒的な強さを披露。開幕5連勝とスタートダッシュに成功すると、その後も負け知らずの快進撃を続け、24試合を消化した時点で19勝5分と無敗で首位に立つ。勝点62は史上最強と呼ばれた昨季に追随するペースで、2位の横浜F・マリノスに6ポイント差をつけて、早くも独走態勢を築く。得点55、失点15はいずれもリーグトップで、攻守両面で隙のない戦いを続けている。
2017年から指揮を執る鬼木達監督が操る最先端の戦術と、それを体現できる質の高い選手たちが揃うだけに、無敗という戦績も当然と言えるかもしれない。
無敗のまま連覇成るか?
再開後のリーグ戦には不安がないわけでもない。中盤を支える田中、三笘のオリンピック後の海外移籍が決まり、戦力ダウンが否めないからだ。それでも、20歳の宮城天、大卒ルーキーの橘田健人ら新たなタレントも着実に育っており、彼らの奮起が連覇への重要なファクターとなるだろう。
横浜FM、ヴィッセル神戸、浦和レッズら他の上位陣も好調を維持しているだけに一筋縄ではいかないかもしれないが、質・量ともに他を圧倒する川崎Fが、無敗のまま連覇を成し遂げたとしても、決して不思議はないだろう。
4-3-3システムによる質の高い攻撃スタイル
各ポジションに代表クラスが揃う
最終ラインからしっかりとボールをつなぎ、中盤の3人が確実にボールを展開。打開力に優れた両ウイングが敵陣を切り裂き、高い決定力を備えたCFがゴールを次々に陥れていく。またボール支配率の高さが相手の攻撃機会を削ぎ、失点の少なさにもつながっている。たとえボールを奪われても、即時奪回からのショートカウンターで再び相手ゴールに迫る波状攻撃も得意とする。
各ポジションにも質の高い選手がずらり。元韓国代表GKのチョン・ソンリョンがゴール前に立ちはだかり、最終ラインには谷口彰悟と山根視来の日本代表コンビが君臨。谷口とCBでコンビを組むブラジル出身のジェジエウは、速さ、強さ、高さと三拍子そろったリーグ最強のDFとして存在感を放っている。
中盤は田中碧が海外移籍したものの、大島僚太が怪我から復帰。後半戦は背番号10を背負うこのゲームメーカーがカギを握るだろう。右ウイングには2018年のMVPに輝いた家長昭博、CFには元ブラジル代表のレアンドロ・ダミアンを擁する。他にも2017年のMVPであるFW小林悠、東京五輪にも出場した万能型の旗手怜央ら各ポジションに代表クラスのタレントが揃い、その選手層の厚さも群を抜く。