チェンマイの有名寺院で僧侶6人らが焼肉パーティー 時は非常事態宣言下。果たして法師がえりとなるのか…
以前、東京都内に「説法バー」なる僧侶が営むバーがあり話題になったことがある。
お酒を飲みながらリラックスし、僧侶の法話に耳を傾け、人生を語り合う。
仏の教えを聞きながら穏やかな時間を過ごせる、そんな“夜のお寺”は特に悩める若い女性たちに人気だと聞いている。
所変わってタイの場合はかなり事情が異なり、こうはいかない。
タイ仏教は日本で主流の大乗仏教とは異なり、上座部仏教と呼ばれているもの。
僧侶には性的行為、窃盗、殺生を禁じ、解脱の境地に達するといった厳しい戒律が求められる。
ところが8月29日、非常事態宣言下のチェンマイにある有名な寺「パンサオ寺院」で、僧侶6人らがなんとお酒を酌み交わしながらムーガタ(タイ式焼肉)パーティーを行ったのだ。
しかもその僧侶たちの中には住職クラスの高僧もいたという。
近隣住民の通報で警官が駆けつけると、彼らは僧侶らしく威厳のある態度で対応したという。
さて、件の僧侶らは5人以上が集まるなど非常事態宣言に違反したことで訴えられ、罰金と15日間の懲役が科されたのだが、懲役に関しては1年間の執行猶予がついた。
また、モラル的には問題が多々ありそうだが、仏教上の戒律には背いていないため強制的な還俗は免れることになった。
しかし、さすがに僧侶の身分にしがみつくことをやめて全員が自ら法師がえりしたという。
多くの人たちが仏教の日にはお酒を断ち、寺院でタンブンをする習慣があるタイ。この国では、東京にあるような「説法バー」はきっと受け入れられないだろう。