前田が走れば何かが起きる
残念ながらメダル獲得はならなかったものの、U-24日本代表は東京オリンピックでベスト4進出と躍進を遂げた。今大会のメンバー22人のうち、オーバーエイジの3人を除くと、24歳以下の選手は19人。うちJリーグのチームに所属するのは11人だった。そのなかでも、オリンピックで目立った活躍を見せ、今後のJリーグのスターとなり得る注目の若手選手を紹介していこう。
坊主頭がインパクトを放つ前田大然は、横浜F・マリノスに所属している。今大会では出番が限られたものの、フランス戦では途中出場からダメ押しとなる4点目を決めて、爪痕を残した。
山梨学院高から2016年にJ2の松本山雅FCに加入した前田は、2019年にはポルトガルリーグでプレーした実績を持つ。2020年に横浜FMに加入し、今季は27節終了時点で、リーグ2位タイとなる14ゴールをマーク。エース格に成長を遂げている。
武器は何と言ってもスピードだ。50メートルを5秒台で走り抜ける快足を飛ばし、相手DFを置き去りにして、ゴールを陥れる。Jリーグが記録する1試合当たりのスプリント回数(時速24km以上を1秒以上継続した回数)は群を抜き、今季のセレッソ大阪戦では62回も記録。ランキング上位10傑のうち8つを前田が占めていることからも、その走力の凄さが窺える。
「前田が走れば、何かが起きる」。そんな期待感を覚えさせてくれる、観ているだけで楽しい選手だ。