説いて“バズる”僧侶たち

政治・経済、社会への不満から恋のお悩みまで何でもござれ。 カリスマ僧侶の“説法ライブストリーム”に20万人が釘付け!

タイには約25万人の僧侶がいる。

戒律を重視する上座部仏教を信仰し、世俗とは一線を画した「サンガ(僧団)」の中で227条を尊ぶが、革新派というべきか、フリースタイルで周囲を ざわつかせる異端児もいるわけで…。

Facebookのフォロワー数は200万人超え、“お坊さんYouTuber”の顔も持つマハ・プライワン僧侶(30)による、笑いあり、毒舌あり、若者スラングありのざっくばらんな動画配信が今、累計600万回再生の大注目を集めている。

最も話題となったのが、歯に衣着せぬ政権批判で知られるマハ・ソンポン僧侶(43)を招いたコラボレーション回だ。

2人は共にバンコク都内の由緒ある王立寺院「ワット・ソイトン」に属し、「マハ」の称号を持つ高僧。

若年層に大きな影響力を持ち、言わばご意見番のような存在である。

そんな双璧がチャット機能を駆使して視聴者の声を拾い上げ、リアルタイムでウィットに富んだ金言を授けてくれるのだから、“信者”たちにはもうたまらないだろう。

しかも耳慣れない仏教用語は使わず、「スーキット(それ死ぬほど最高な!)」「サパーブ(最悪…)」など俗語を交えた話術が親近感を増幅させるようだ。

しかし、こうした言動が批判を呼ぶことは推して知るべし。

特に寄付金や政治への言及は各界から問題視され、「戒律を冒涜する生臭坊主」と有識者らもバッサリ。

威厳を失墜させたとして、タイ国立仏教庁が所属寺院に抗議を申し入れている。

対して寺院側は過激な発言を認めつつも、「パンデミックに憂う若者の拠り所」と概ね擁護。

最終的な処分はサンガ最高評議会に委ねられるという。

“有為転変”とは仏教の訓えだが、彼らの運命やいかに。

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