17歳、女子高生の金強盗白書

「お父さんが遺した保険金を騙し取られちゃったから…」 衝撃の犯行動機が、悪質商法の“芋づる式発覚”の緒に

タイでは銀行強盗ならぬ金行強盗はそう珍しくもない。

12日午後3時頃、ノンタブリー県の「Big C」に入居する金行チェーン「ヤワラート・クルンテープ」もまた、今年2度目の受難に見舞われていた。

今月1日にようやく営業規制が緩和されたばかり。

店の周りには多くの買い物客や、目撃者たちがいた。

「命はいらない。

金と宝飾品を袋に詰めろ」。

こう書いたメモと刃物を店員に突きつけ、指輪やネックレスなど計50点・40万B相当を強奪した犯人。

どこか既視感のある手口だが、お宝の詰まった袋を抱え逃走を試みるも居合わせた客のファインプレーで足を引っ掛けられ、敢えなくその場に転倒。

犯行から拘束まで約3分のスピード終焉を迎えた。

ところが、この犯人の素顔が世間を驚愕させた。

それは、ごく普通の現役女子高生だったためだ。

しかも動機はイタズラや遊ぶ金欲しさ、学費の足しなどではなく、「オンライン投資詐欺で失った元本の穴埋め」。

母親に事態がバレるのを恐れ、犯行に及んだという。

報道によれば、少女(17)はバンコク都内で祖母と2人暮らし。

父親と死別し、進学のため母親とも別居していた。

こうしたなか母親が失業し、父親の保険金だけが生活の頼りに。

しかし少女は高金利を謳うSNS広告に惑わされ、既に2つの投資で5万Bを擦っていた。

少女の自供から6日後、警察は50人ほどの投資者を擁する詐欺グループの代表・ティダーワン容疑者(32)を逮捕。

本事件を報道で知ったという容疑者は、「未成年を犯罪に巻き込んでいたなんて」と涙ながらに謝罪している。

現在、少女は保釈され精神鑑定を受けているが、少年法により保護観察となる可能性が高い。

“うまい儲け話には用心”を肝に命じ、猛省してほしい。

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