紅葉で染まるハイシーズンの人気登山スポット!
そこで信じられている“もみじ”の迷信とは…
東北部ルーイ県にあるプークラドゥン国立公園は、タイで人気の登山スポットの一つ。
山頂からの壮大な景観はもとより、乾季である12月から2月にかけて、もみじの紅葉が美しい希少な場所であることでも知られている。
毎シーズン、この時期になると登山客が訪れ、紅に染まったもみじと記念写真を撮り、中にはもみじの葉を持ち帰る人も多いという。
ところが妙なことが起こっている。
山から持ち帰られたもみじが、公園の管理事務所に返されてくるというのだ。
それに困惑した公園側は 「返してくるのなら、もみじを持ち帰らないでください。
私たちがもみじを山に戻すのは本当に大変な作業なんです」とFacebookページに投稿した。
持ち帰った“葉っぱ”をわざわざ返すのも何か変だが、これにはタイで昔から信じられている言い伝えのようなものが関係している。
タイでは、山の鬼門から何かを持ち帰ると、そこの鎮守に取り憑かれるという言い伝えがあるのだ。
過去にもみじの葉を持ち帰ったある人の話によると、不意に女性の笑い声が聞こえたり、伝統衣装を纏った子どもが急に目の前に現れたり、家の中のものが理由なく壊れたりした。
しかし、それを山に戻すと不可解な出来事は一切起こらなくなったという。
このような逸話はここだけの話ではなく、特に歴史的な建造物などから何かを持ち帰ると困ったことが起きると信じているタイ人は多い。
やたらと何かを持ち帰るのはマナーに反したこと。
それを鎮守と重ね合わせるところは、信仰心に厚いタイ社会ならではのことなのかもしれない。