経済的に困窮し、寺宝の水牛を売りに出した寺院。
その話題が広がるとともに広がった救いの手とは…
日本では2011年に初めて開始されたというクラウドファンディング。
社会に寄付を求めるという手法そのものは古くから存在していたが、インターネットの普及に伴って一般的なものになってきた資金集めの方法だ。
現在ではさまざまな人や団体が利用し、夢の成就や起業に役立てている。
さて、西部チャンタブリー県のある寺院が、まるでクラウドファンディングのような“資金集め”で窮地を救われつつあるということが話題になっているのだ。
その寺院は本堂の建設のためにお金を借りたものの、コロナ禍で参拝者が減り寄進が激減。
さらに仏教に即した祭事も行えないため思うように収入がなく、借入金の返済ばかりか電気代や水道代が払えない状況にまで追い詰められていた。
そこで寺院の僧侶長はやむを得ず、境内で飼育している2頭の水牛を売るという苦渋の決断をした。
その水牛は「ナンディン」というシヴァ神の乗り物である白い牡牛に似ているために“神的存在”とされ、一部のコレクターからは大人気。
しかし、売りに出されたことがメディアに取り上げられると、今度は動物愛好家たちが騒ぎ始めて、水牛を救おうと寄付金集めが始まった。
すると集まったお金は述べ2日間でなんと40万B以上。
これはもう立派なクラウドファンディングの域である。
寄付金の目標額はこの年末までに200万B。
当の水牛は自分が売られることをわかっているかのように、元気がなくたまに涙を流したとのこと。
それを見た僧侶長は、たとえ寄付金が目標額に達しなくても水牛を手放さないことにしたという。