9年ぶりということで注目されているバンコク都知事選。
選挙戦の中での試金石が、看板だとされる理由は…
バンコク都知事選は9年ぶり。
5月22日の投票日を控えて都内には選挙ムードが広がっている。
そのような中で話題となっているのが候補者の看板だ。
その多くがバストショットのポスターの仕様。
写真の横には大きく投票番号が記載されていて、投票の際にはその番号を書くシステムだという。
問題となっているのは、その看板のサイズが大きく、歩行者が歩く妨げになったり、停留所でバス待ちをしていてもバスが見えないなどの事態になっている。
日本と違いタイの選挙看板に対する法律の縛りは緩く、規定サイズも最大で横130cm×縦245cmとやたら大きい。
看板が妨げになって車椅子で歩道を通ることができずに、車道を通らなくてはならないという危険なことも起きている。
また、意図的に歩行者の目線の高さに合わせて設置されたビニール製看板が歩道を塞いでしまい、歩行者がそれをしゃがむように避けて歩かなければならない場所も。
当然のことかもしれないが、この“看板問題”はメディアでも取り上げられていて多くの批判を浴びている。
一方でこの流れを逆手にとって、選挙戦を有利に運ぼうとする候補者も。
若者に人気のあるチャチャート元運輸相の場合は、看板を電柱の形に沿ってぴったりと収まるような縦長サイズにして、歩行者の妨げにならないことをアピール。
また、ロサナ元バンコク上院議員は、ゴミ問題を絡めて「設置型看板は作らない」と宣言している。
このような看板に対する施策は候補者にとって、少なからず追い風になっているというから面白い。
バンコク都知事選は、どうやら看板が試金石になっているようだ。