逃げたギャンブラーを追い詰めたのは子どもの純真な心。
4歳児の証言で幕を閉じた賭博事件とは…
「盗人を捕らえて見れば我が子なり」ということわざがある。
まさに、これと似たような事件がアユタヤ県で起きた。
7月19日、同県のワンノイ地区市長のもとに、ハイロー(丁半博打のようなもの)と呼ばれる違法ギャンブルが行われているという通報が入った。
警察が現場に駆けつけるとそこには賭博に興じる20人以上の人たちが。
警察が突入すると、ほとんどのギャンブラーたちは慌てふためきながら森や川へ逃げ出してしまい、一部の現行犯しか捕まえることができなかった。
でも、そんな逮捕劇に一役買ったのは、なんと4歳の少年。
現場となった賭博場の隣に住んでいたこの少年は、事のすべてを目撃していた。
それを知った警察は少年に当時の状況を聞くことに。
彼は洗いざらいを話すのだが、よく聞けばなんと自分の両親も賭博場にいたのだ。
警察は「両親はどこに座っていたか」「賭けには負けたか」などと質問。
少年は「母ちゃんは最初やってなかった。気が変わって父ちゃんと一緒にやった」と証言。
さらに警察が「今、母ちゃんはどこにいるか知ってる?」「この中に母ちゃんはいる?」と追求。
「いつの間にかどっかに行っちゃった」「あっちに走って行った」と、終始笑いあふれる雰囲気の中で事情聴取が行われた。
そしてこの小さな協力者による情報提供が功をなし、違法ギャンブラーの逮捕につながることになる。
少年の両親を含め、逮捕された7人はワンノイ警察に送検された。
皮肉にも自分の息子の証言によってお縄頂戴となってしまった両親。
「盗人を捕らえて見れば我が両親」。
少年がそう思ったかどうかは不明だが、賭博からは足を洗ってほしいものである。