Ｊ１残留に向けてアビスパ福岡が王者川崎に挑む

1997年にＪリーグに参入したアビスパ福岡には、ジンクスがあった。それは5年周期でＪ１に昇格し、都度1年でＪ２に降格するというものだ。
 
2001年にＪ２に降格し、2006年にＪ１に復帰するも1年で降格。2011年、2016年にＪ１に復帰した際も、1年でＪ２に戻っている。そして迎えた2021年。これまでの周期通りにＪ１に復帰すると、堅い守りをベースに8位と躍進し、Ｊ１残留を実現。長く続いた負のジンクスを見事に打ち破って見せたのだ。

Ｊ１に踏み止まった福岡は、今季も持ち前の堅守を武器に、粘り強い戦いを見せている。ひとつ消化試合数が少ないながら、24節終了時で12位に位置する。得点17はリーグ最少ながら、失点20もリーグ最少。点を与えずに少ないチャンスをモノにする。そんな戦いで勝点を積み上げてきた。

その福岡が8月20日の第26節で対戦するのが2連覇中の王者、川崎フロンターレだ。3連覇を目指すチームはリーグ屈指の攻撃力が特長。その攻撃をいかに封じるかが、この試合の福岡の最大のテーマとなる。
 
5月に行われた前回対戦では0-2と完敗を喫したものの、福岡にも十分勝機があると考えられる。実は昨シーズン、開幕から25試合無敗を続けていた川崎Ｆの記録を止めたのがこの福岡だった。しかも今回と同じ第26節のホームゲームで、8月25日と日付も近い。多くの時間帯で押し込まれながらも粘り強く対応し、66分に生まれた得点を守り抜き、1-0で勝利したその試合の再現なるか。

3連覇を狙う川崎Ｆとすれば負けられない試合となるが、残留を目指す福岡にとっても同様に勝点3が求められる一戦となる。わずかな隙も与えない福岡の組織的な守備が、再び川崎Ｆを苦しめることになるかもしれない。

（文・原山裕平）

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