所持金が足りずに故郷へ帰れない親子3人。
そこへ救いの手を差し伸べたのは、なんとタクシーだった…
タイのタクシーといえば、あまり良い評判が立たないことで知られている。
ただ、全てが迷惑タクシーかというとそんなことはなく、善良なタクシーもたくさん街中を走っているのは確か。
実際にこんな心優しいタクシーの運転手さんがいた!というのがこのエピソード。
8月12日の夜、タクシー運転手のアヌラック氏がバンコクの国鉄ラクシー駅前で客待ちをしていたところ、何か問題を抱えていると一見でわかる親子3人が目に止まった。
彼は気になって、その家族の父親に事情を聞くことに。
すると、一家はウドーンターニー県の出身で、父親はバンコクで日雇いの仕事をしていたが、最近になって仕事がなくなってしまった。
借家の家賃が払えなくなり、夜中にもかかわらずついに大家から追い出されたという。
仕方なく生後4カ月の乳飲み子を抱えてウドーンターニーへ帰ることを決心。
列車に乗ろうとラクシー駅まで来たところ、列車の運行時間が終わっていたためタクシーで帰ろうとした。
しかし、所持金は数百バーツ。
とてもウドーンターニーまで行ける金額ではない…
そんな話を聞いたアヌラック氏は、タンブン(寄進)を兼ねて「よっしゃ!お金はいらないから私が家まで送ってあげよう」と決意。
このことを意気に感じた運転手仲間たちにガソリン代をカンパしてもらい、およそ450kmの行程をスタート。
ところが通常なら7時間程度の所要時間なのだが、この日は連休の初日で大渋滞。
なんと12時間もかけて家まで送り届けたという。
この一家にとって救世主となったのは、なんとも心優しいタクシードライバーだった。