成り済ましの弁護士が逮捕され、タイの法曹界で大問題に
実際に訴訟で勝ったこともある、そのインチキ弁護士とは…
世界の詐欺師史上で、もっとも名を馳せたのはフランク・アバグネイルというアメリカ人。
パイロットや医師、連邦刑務局員など少なくとも8回の身分詐称を通じた、大胆かつ鮮やかな手口で有名だ。
そんな「世界をだました男」と呼ばれるアバグネイルのような男がタイでも話題となっている。ポーンテープ(タイ人・32歳)は、弁護士に成り済ますことでいくつかの訴訟案件などに関わってきた。
その犯行が明るみ出たのは4日のこと。
ある女性がポーンテープに中傷誹謗の訴訟を依頼したところ、なかなか進捗がないことに疑問を持ち、他の弁護士に調査を依頼。
その結果、彼が偽の弁護士であることが判明。
彼はSNS上などであたかも信頼できる弁護士かのような立ち居振る舞いを見せていたが、実は持っていた弁護士証明書は偽物で、 弁護士登録番号も他の弁護士のものを使用していた。
彼は文書偽造をはじめとしたさまざまな容疑で逮捕されたわけだが、なんと2年間も弁護士として活動。
しかも、ガムペーンペット裁判所での横領事件の裁判では弁護側に立ち勝訴しているという。
また、実家には法律事務所まで持ち、家族や周囲の弁護士たちも「成り済ましの弁護士だとは思いもしなかった」と証言。
そのことからも、成り済ましの徹底ぶりが想像できる。
この件で最も震撼しているのは、当然だがタイの法曹界。
偽物がいくつかの訴訟で活躍してしまったという事実に、弁護士会は「非常に深刻な問題であり、徹底的に対処する必要がある」とコメント。
さて、法曹界はどのようにメンツを立て直すのだろうか。