ドイツ、スペインを撃破し、グループ首位で決勝トーナメント進出を決めた日本だったがラウンド16で、PK戦の末にクロアチアに敗れ、初のベスト8進出はならなかった。
試合は前半終了間際に前田大然のゴールで先制したものの、55分に同点とされると、1-1のまま突入した延長戦ではスコアが動かず、決着はPK戦に委ねられた。ここで日本は3人が失敗したのに対し、クロアチアは4人中3人が成功。前回準優勝国と互角に渡り合ったものの、目標としていたベスト8を前に涙を呑んだ。
それでも今大会の日本は、世界を驚かせる戦いを見せたことは間違いない。なかでもドイツ、スペインという優勝経験国を撃破したことで、大きな衝撃を与えている。
そのチームのなかで輝きを放ったのは、ジョーカー役として機能した三笘薫だろう。川崎フロンターレ出身のドリブラーは、初戦のドイツ戦で流れを変える活躍を見せると、第3戦のスペイン戦では最後まで諦めずにボールを追い、田中碧の決勝ゴールをアシスト。クロアチア戦でも単独突破から惜しいシュートを放つなど、世界の屈強なディフェンダー相手にもそのドリブルが十分に通用することを証明してみせた。
他にも2ゴールを決めた堂安律やドイツ戦で決勝点を決めた浅野拓磨、力強い守備で中盤の守備を支えた遠藤航など、日本の選手たちはワールドカップの大舞台でも臆することなく持てる力を発揮し続けた。
Jリーグ所属選手もGKの権田修一(清水エスパルス)は好セーブを連発し、センターバックの谷口彰悟(川崎フロンターレ)も落ち着いたプレーで相手の攻撃を食い止めている。
(文・原山裕平)