学校が建っている土地を誰かがいつの間にか購入。
学生が「侵入者扱い」で通学するリペ島の土地問題とは…
ある日突然、自分が通う学校の正門に「鉄柵」が設けられていたら…そんなことは滅多にないはずだが、タイ最南端の人気リゾートであるリペ島で起きてしまった。
リペ島はアンダマン海に浮かぶ広さ3㎢ほどの島で、およそ3000人が暮らしている。
そんな小さな島で、ある実業家が1ライ(約1600㎡)の土地を購入してホテルの建設を計画。
ところがその土地には数十人が住む住居があり、島で唯一の学校の正門がある。
実業家には住居の移転や正門への通路を作るなどの配慮する気配はなく、住人を追い払い、正門には「鉄柵」を設置。
「関係者以外立ち入り禁止」、「侵入者には罰則を科す」と書かれた看板を藪から棒にあちらこちらに立てた。
やっかいなことに、学校への入り口である正門がその土地に面しているため、学校に通う数百人の学生たちは、土地を横切って、さらに「鉄柵」を乗り越えて通学しているという。
これではまるで「侵入者」のようで、学生たちがあまりにも可哀想だ。
しかし、この土地の買収にはどうやら裏があるようで、実業家が手に入れた土地所有権は正規のものではないという嫌疑がかけられている。
一方、そもそもこの土地で暮らしていた人たちも学校も土地の所有権を持っておらず、すでに亡くなっている元々の土地の所有者から借りていたと主張しているようだが、それに関する証書などは一切ないとのこと。
この土地の権利問題調査には当局もかなり手こずっているらしい。
人気リゾート島の理不尽な通学事情。
「鉄柵」ではなく「妙策」で解決してほしいものだ。