タイ警察のバイクや車両の護衛付きで目的地へ移動。
にわかに疑惑が浮上した超VIP送迎サービスとは…
タイの道路を車で走っていると、ランプを点滅させながら警察のバイクやパトカーが、黒塗りの車を先導しているのを時々見かける。これは政府高官などが安全に移動するための警護体制のひとつ。その物々しさからも、普通の民間人が乗る車が先導されているふうには見えない。
ところが、そんな警官の護衛を伴った送迎サービスを、なんと中国人観光客の親子が利用した際の動画がSNSに投稿されて話題となった。
この親子は中国の旅行代理店にツアーを申し込む際「タイの警察による警護サービス」を勧められたため、オプションで申し込んだという。料金は7,000Bで、空港内の出入国審査を通過するVIP優先レーンの利用とパトカーによる送迎が付く。親子はそれに6,000Bの追加料金を払って警察バイクのエスコートサービスを加えた。動画では、警官が出入国審査まで出迎え、優先レーンを通過してパトカーまで案内。先導するバイクとパトカーはサイレンを鳴らして1時間ほどでパタヤへ到着し、驚きを隠せない親子の様子が映っている。
この動画が拡散されると、多くのタイ人が「警察の汚れた部分がまた世の中に露呈された」と、警察への非難が集中。これに対してタイ警察本部長は調査を開始。動画に登場する3人の警官は本物だが、使用している車両は個人所有のものに無許可でサイレンを付けているとのこと。
この件に関わった警官は部署の異動を命じられたというが、この違法サービスは10年ほど前から“裏”で横行していて、インターネット上では堂々と広告されていたという。なんとも後味の悪い、疑惑の超VIPサービスだ。