駅名って誰のもの?

バンコク都内を走るモノレールMRT「ピンクライン」。
その駅名がネット民の間で話題になっている理由とは…

駅名が議論されることはしばしばあるが、日本では2020年に開業したJR山手線の「高輪ゲートウェイ」が議論の的になったことがある。「長すぎる、ダサくてセンスがない」などとけっこう辛辣な批判が吹き荒れた末に、結局は高輪ゲートウェイに落ち着いた。

タイでもつい最近、そんな駅名がネット民の間で話題となっている。ネット上で炎上したのは、高架式モノレールMRTピンクラインにある「Ram Inthra Kor Mor 6(ラムイントラ・コーモー6)駅」。

この駅名について、あるFacebookユーザーが「英文表記の仕方が、まるで定年退職を間近に控えた人が考えたものみたい」という皮肉っぽいコメントを投稿。つまり、タイ語の“読み”をそのまま英文に置き換えるのが古臭いと言いたいのだろう。

しかし、ネット上ではすぐさまこんな反対意見が続出。なかには「ここに使われているのは地名という固有名詞だから、翻訳する必要はない。なんでもかんでも無理やり英語へ翻訳するなら、僕の名前“アーティット(太陽)”はSunになってしまう」という声も。確かにそのとおりで、であれば“横浜”を英語にすると“Beside beach”ってこと?というわけである。

とある著名な翻訳者も、「この駅名には何の違和感もありません。無理に翻訳しないほうがいい言葉はたくさんあり、駅名にとって大切なのは、タイ人も世界中から訪れた外国人も理解できて、発音したらなるべく同じように聞こえること」とコメント。

駅名はブランディングと似たようなもの、と言われる。だから鍵となるのは10年〜20年後に定着しているかどうか。今回の件で“駅名はみんなのもの”ということがはっきりしたようだ。


Parrots

この記事をSNSでシェア!

一番上へ戻る